2026年6月21日に実施された日本漢字能力検定 (漢検) の準1級を受験し、合格しました。
漢検準一級の合格証書送られてきた pic.twitter.com/mofDCfy9Tc
— alstamber@C108 2日目南r04ab (@alstamber) 2026年7月29日
せっかくなので覚えているうちに記録を残しておこうと思います。
準1級について
漢検には10級~1級までの全12級があり、準1級は1級の次に難しい級です。2級では常用漢字を知っていることが求められているのに対して、準1級以上ではさらに表外漢字の知識も求められます。また、合格に必要な得点率も準1級以上だと引き上げられます。そのため漢検は準1級以上が「難しい」というのが一般的な認識のようです。
実際に受けてみた肌感覚ですが、確かに勉強しないと合格は難しい難易度だとは思います。2級であれば普段から日本語の文章を読み書きする習慣のある人なら勉強無しでも合格できると思いますが、準1級はそうはいかないです。ただ、「問題集を解いて、知らない熟語や漢字を見つけたら覚える」というベーシックなやり方で手が届く難易度だとも思います。
ちなみに1級は準1級と比べても飛躍的に難易度が上がります。準1級に合格した今ですら、1級のサンプル問題を見ても全く解ける気がしません。合格者の方の話を聞くと、1級の勉強は問題集を解くというよりは、辞書を片手にとにかく語彙を増やす地道な勉強をするしかないようです。
出題範囲と配点
合計200点満点で、公式には「160点程度」が合格基準とされていますが、ここ最近はずっと160点で固定されているようです。
| 問題 | 配点 |
|---|---|
| 漢字の読み | 30点 |
| 表外の読み | 10点 |
| 熟語と一字訓 | 10点 |
| 共通の漢字 | 10点 |
| 書き取り | 40点 |
| 誤字訂正 | 10点 |
| 四字熟語 | 30点 |
| 対義語・類義語 | 20点 |
| 故事・諺 | 20点 |
| 文章題 | 20点 |
漢字の読み
文中の漢字について音読み及び訓読みが問われます。
表外の読み
常用漢字だが常用漢字表に書かれていない読み方がある漢字について、その読み方を答えます。例えば「歯」と書いて「よわい」と読む等です。
熟語と一字訓
熟語の読みと、それの意味を表す漢字一文字の訓読みを答えます。例えば「灌漑」と「灌ぐ」がペアで出題され、「かんがい」「そそぐ」と答える、といった感じです。
共通の漢字
漢検準1級の中でも最も難しいと言われているのがこの問題です。2つの文が書いてあり両方の空欄に同じ常用漢字一字を入れて、それぞれ別の熟語を完成させます。
書き取り
文中のカタカナ部分を漢字に直します。結構配点が高いので、ここでしっかり点数を取りたいです。
誤字訂正
文が提示され、その中に1文字だけ読みは合っているけど間違っている漢字があるので、それを指摘し正しい漢字に修正します。
四字熟語
四字熟語は2つのパターンの問題が出されます。1つ目は四字熟語の上下どちらか2文字を漢字で書く問題です。2つ目は意味を読んでそれに当てはまる四字熟語を選択肢の中から選び読みを書く問題です。
対義語・類義語
与えられた熟語について、対義語を答えたり、類義語を答えたりします。読みの候補が与えられているのでそれを1つずつ使って答えを作る必要があります。つまり対義語・類義語であれば何でもいいわけではないということですね。漢検マニアの間では「対類」と呼ばれ、合格にあたっての要所とされているようです。
故事・諺
故事・成語・諺の一部がカタカナになっているので、それを漢字に直す問題です。
文章題
比較的長い文章を読んで、文中の漢字の読みを答えたり、カタカナ部分を漢字にしたりします。少し古めの文学作品が引用されることが多いです。
勉強法
漢検準1級の勉強は以下の本が定番のようなので、まずこれを購入しました。
いわゆる「出る順」でランク付けされていますが、こだわらず全部やりましょう。
読みを答える系はこの本を移動時間や空き時間に開いて頭の中で解く形をとりました。漢字を書いて答える系は実際に手を動かさないと覚えられないと思い、家で腰を据えてノートを使って問題を解くようにしました。
スマホで勉強できるようにAnkiも取り入れてみました。
https://ankiweb.net/shared/info/499990065
Ankiは、人間の忘却曲線に従って正解できなかったものを優先して出題してくれるので、より効率よく勉強できるように思います。
勉強時間は平日の夜が30分程度、休日はまとめて1~2時間くらい確保しました。勉強を始めたのは3月中旬ごろです。正確な合計勉強時間は測っていませんが、体感だと100時間ちょっとくらいじゃないでしょうか。どう多く見積もっても200時間はしてないと思います。
対応方針
四字熟語を押さえるのがまず最優先です。30点配点で書き取りの次に配点が高いですし、大抵の四字熟語は二字熟語の組み合わせなので、熟語の語彙を増やせること、故事・諺とも関連していること、また出題される範囲が決まっていることが理由です。気に入った四字熟語は使ってみるとより覚えやすいと思います。私は「焚琴煮鶴」という四字熟語を今回の勉強で初めて知ったのですが、「琴を焚いて鶴を煮る→風流がない」というわかりやすい意味が気に入ってちょくちょく使っていました笑
漢字の読みは物量は多いのですが、音読みの場合は漢字の一部分から推測できるものも多いので、比較的覚えやすいと思います。例えば「禦」は音読みだと「ぎょ」と読みますが、それは一部分に「御」があることから想像できます。ただし「摺」のように旁から「しゅう」と読みたくなるのに正式な読みは「しょう」という字も時折あるので、そこは要注意です。
表外の読みは、規則性がないので覚えるしかありません。ただし覚えないといけない数が少ないですし、日常生活で見たことのある読みもあるので、実質新しく覚える量はあまり多くないと思います。
熟語と一字訓は、一字訓に紛らわしいものが多く、それを間違えないように覚える必要があると思いました。 例えば「禦ぐ」は「ふせぐ」なのですが、「杜ぐ」は「ふさぐ」です。また「峻しい」には「きびしい」と「けわしい」の2種類の読みがあるので、対応する熟語の意味にふさわしい方を選ぶ必要があり、読めるだけではなくその読みの時の意味も覚えておかなければなりません。
書き取りは配点が高いんですが、これのために特化した勉強というのはしなくていいかなと思いました。先程紹介した本に掲載されている問題を見て、知らない熟語は念入りにやっておくくらいでしょうか。あとは画数が多かったりして普段書かない漢字 (「鹸」とか「嚢」とか「竈」とか) を書けるようにしておくと良さそうです。
誤字訂正についても、わざわざこれのために勉強をする必要はないと思います。熟語がちゃんと頭に入っていればよいので、書き取り等で熟語を漢字で書けるようにしておけば自ずとカバーできるはずです。
対義語・類義語、故事・諺、文章題も同様で、それ専用の勉強をするのではなく、他の問題のついでに知らない熟語や表現をちょっとさらっておく、という感じです。
共通の漢字は豊富な語彙力が問われます。この形式が追加されたのは比較的最近のため、出題傾向を見て対策するのが難しいです。いろいろな文章を読んで日頃から語彙力をつけておくしかなさそうかなと思いました。
問題集をやっていると気づきますが、十干や十二支が時々出てきます。「甲子 (こうし・きのえね)」とかですね。これはまとめて覚えるようにしました。
過去問と模試
過去問はやっていません。過去問対策中心に勉強するよりは、生きて使える語彙を増やして基礎を固めるほうが合格に近いと考えたからです。
模試は試験の直前にやりました。ウミウシうどんさんが作成されている「うどん模試」が大変役に立ちました。
現在全部で17の模試が公開されていますが、私が解いたのは第1回~第5回の5回分です。あまり時間がなかったのと、どの模試を解いてもだいたい170~180点くらいで、合格できる程度の実力はついていそうだと判断したためです。
試験を受けるときはいつもそうしているのですが、前日は勉強せずに休みました。とはいえちょっと不安もあったので、今回は亀戸天神社に願掛けしに行きました。
苦しい時の神頼み🙏 pic.twitter.com/R0GBUzxu4k
— alstamber@C108 2日目南r04ab (@alstamber) 2026年6月20日
当日
今回は都内某所にある大学が受験会場でした。同じ時間に別の部屋で別の級の試験もあるからか、受験会場の前には子どもたちとその親御さんが多数いました。ちらほら大人一人で来ていそうな人がいて、その人達は全員準1級受験者でした笑 受験者は全員大人でしたが、年齢層は幅広く性別も特に偏りはないようでした。
問題用紙は糊付けされており、ミシン目をペリペリとちぎって開けますが、どこからちぎっていいのかわかりにくい構造で、少し戸惑いました。問題文ごとちぎってしまいそうになりました。
試験時間は60分です。漢検の勉強を開始した当初は60分でこの問題量を解けるのかなと思っていましたが、実際のところちゃんと勉強していれば試験時間は半分くらい余ります。残った時間はわからない問題を頭を絞って考えたり、見直しをしたりして過ごしました。
問題は共通の漢字だけ後回しにして、残りは順番に解きました。解いた感じはそれほど難しくなく、「これは行けるんじゃないかな……?」という手応えを試験時間中に感じていました。
そして結果発表
オンラインで結果を見られるサービスがあるので確認しました。先述の通り手応えはありましたが、無事に合格していたことが確認できて安心。
漢検準1級合格してました~~ pic.twitter.com/aUZbNHD0M7
— alstamber@C108 2日目南r04ab (@alstamber) 2026年7月16日
この結果発表のしばらく後に郵送で詳細な結果と合格証書が送られてきました。
180/200点だった。初受験で193点取って表彰された某河村さんはやっぱりすごい pic.twitter.com/YybtE3UJ4s
— alstamber@C108 2日目南r04ab (@alstamber) 2026年7月29日
180/200点ということで、9割でした。模試より上振れしているので、やはり今回は簡単なほうだったのかなという印象です。問題ごとの得点も資料に載っていましたが、
- 読み: 30/30
- 表外の読み: 9/10
- 熟語・一字訓: 9/10
- 共通の漢字: 10/10
- 書き取り: 32/40
- 誤字訂正: 8/10
- 四字熟語: 26/30
- 対義語・類義語: 18/20
- 故事・諺: 18/20
- 文章題: 20/20
でした。共通の漢字が非常に簡単だったのが印象的でした。表外の読みは1問だけまったく見当もつかない問題がありました。答えを見たんですが、「どこかで見たことあるような気もするけど……」というレベルでした。漢検では毎回1問以上、こうした難問が入る傾向にあるようです。書き取りの問題に1問、四字熟語を真面目にやっていれば解ける問題がありました。その四字熟語を知っていて正解できたので、やっぱり四字熟語の勉強は大事だなと痛感しました。全体を通して凡ミスが3問あったのが悔やまれます。これらをちゃんとケアできていれば185点取れていたはずでした。
所感
初受験で合格できたのはとても嬉しいです。実は子どもの頃を含めても漢検って受けたことがなかったので、初めての経験ができてとても楽しかったです。
準1級に合格したからといって、特に何かにすぐ役立つわけではないですが、新しい四字熟語や諺の知識、そして語彙を増やせたのは人生の豊かさという意味ではプラスになったのかなと思います。あとは話の種にはなりそうですよね、「漢検準1級持ってます」って笑
先述の通り漢検1級はとにかく難しいので、今すぐ受験するつもりはありません。今後時間にたっぷり余裕ができることがあれば、挑戦してみてもいいかなとは思っていますが。
資格試験で気になっているものに「旅行業務取扱管理者試験」があるので、来年はこれを受験しているかもしれません。















