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日商簿記2級に合格した話

先日日本商工会議所が主催する検定試験である日商簿記2級」を受験し合格しました

もともと上場企業の決算発表などで会計の数字を見るのは興味があった口なのですが、改めて体系的な知識としてこの辺を学んでみたいなという気持ちが強くなり、簿記検定を受けてみようと決めました。

まずは簿記3級から

もともとは簿記2級まで取るつもりはなく、まずは簿記3級を受験しました。日本商工会議所のページによると簿記3級は

基本的な商業簿記を修得し、小規模企業における企業活動や会計実務を踏まえ、経理関連書類の適切な処理を行うために求められるレベル。

だそうです。例えば個人事業主青色申告するためにつける帳簿くらいであれば3級の知識があれば十分そうです。

勉強にあたってはStudy Proというサイトを使いました。

studyboki3.com

テキストと演習問題、それから試験問題をシミュレーションした模擬問題がセットになっています。テキストを読んで演習問題を解くという流れを一通りやり、そのあと間違った問題を正解するまでやり直すことを繰り返しました。そのあと模擬問題の演習をしました。模擬問題はインターネットブラウザのフォームを使ったもので自動での時間測定と採点機能もついており大変便利でした。模擬試験は2回通して行うことで長時間問題を解き続ける感覚に慣れるようにしました。全部でかかった時間は20時間弱くらいでしょうか。なんとなく行けそうな気がしてきたので、試験の受験を申し込みました。

日商簿記試験は統一試験とCBTの2つの形式があります。今回はCBTを受験しました。統一試験は年に数回受験希望者を会場に集めて筆記試験を行うもので、CBTは全国にあるテストセンターに行ってコンピュータに表示される試験問題に取り組むというものです。CBTはいつでも受験できるので、早く合格をしたい私にはピッタリの方式です。

私が利用したのは銀座CBTS歌舞伎座テストセンターというところです。アクセスが良いのと、比較的新しいテストセンターなので快適そうだと思ったのが理由です。実際特に不満なく利用できました。

cbt-s.com

試験問題は勉強に使ったサイトの模擬問題よりもだいぶ難しい印象でしたが、なんとか合格点の100点満点中70点以上を取ることができました。

そして2級へ

3級に無事に合格できさらに勉強したくなってきたので2級を目指すことにしました。日本商工会議所のページによると2級は

高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できるなど、企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析を行うために求められるレベル。

だそうです。一般には2級までが独学で取得できる限界だとされているようです。

3級の勉強で使ったサイトは大変わかりやすくて気に入っていたのですが、残念ながら2級の内容をカバーしていないので、別のいぬぼきというサイトを使って勉強することにしました。こちらも説明が平易でわかりやすいサイトだと思います。

inuboki.com

こちらのサイトはテキストと演習問題がセットになっているので、テキストを読んでから演習問題を解いていくというやり方で勉強をしました。

日商簿記3級が初歩的な商業簿記のみなのに対して、日商簿記2級では商業簿記と工業簿記の2つを勉強する必要があります。まずは全く馴染みのない工業簿記から勉強することにしました。工業簿記はざっくりいうと工場でなにか製品を生産するにあたって原価がどれくらいかかっているかを勘定するというものです。その勘定の仕方が色々あるのでそれぞれ勉強していく必要があります。

続いて商業簿記を勉強しようとしたのですが、ここで問題が発生しました。使っていたサイトは商業簿記の演習問題が整備中で、試験範囲すべてを網羅できていない状態だったのです。テキストはこのまま使い続けるとして、やはり演習問題をやらずに試験を受けるのは怖い、そこで問題集を購入することにしました。購入した問題集は「パブロフ流でみんな合格 日商簿記2級 商業簿記 総仕上げ問題集」というものです。私は基本的に紙の本派なのですが、簿記の勉強はiPadを使って行っていたので、iPadでの取り回しが良さそうな電子書籍を購入しました。

www.shoeisha.co.jp

本にはたくさんの問題が載っているので、まずこの問題を3周ほど解きました。1周目は全く歯が立たない感じでしたが、そこで正答できなかった問題をピックアップし、どこを間違えたのか、どうすれば間違えなくなるのかをまとめたスプレッドシートを作成しました。テキストの再学習が必要だと感じた項目に関してはテキストを読み直し、2周目は正解した問題も含めてすべて解き直しました。すると今度は解ける問題も出てくる一方、1周目は正解したのに不正解になってしまう問題もあります。これはだいたい計算ミスに起因するものなのですが、中には曖昧な理解をしていてたまたま1周目は正解できただけという問題もあります。これをピックアップしてスプレッドシートに追加しておきます。3周目はスプレッドシートにピックアップした問題だけを解き直しました。

ここで突然ですが、日商簿記2級の配点のお話をしたいと思います。日商簿記2級の試験問題は5つの大問で構成されていて、配点が予め決まっています。

大問 内容 配点
問1 商業簿記仕訳5問 20点
問2 銀行勘定調整表・連結会計・株主資本等変動計算書など 20点
問3 財務諸表・精算表・本支店会計など 20点
問4 工業簿記仕訳3問と個別原価計算・総合原価計算・部門別計算など 28点 (うち仕訳で12点)
問5 直接原価計算・標準原価計算 12点

注目したいのが、仕訳の問題だけで32点もあるということです。仕訳というのは発生した取引を記録することで、簿記の基本となるものです。日商簿記2級は70点以上取れれば合格なので、仕訳だけで合格点の半分近くを取れるという計算になります。仕訳は簿記の基本なので、他の問題を解く際にも必ず必要です。仕訳が出来ない状態では合格は無理と言ってもいいでしょう。仕訳の精度を上げるのが合格の近道だと考えたので、仕訳の練習に特化したスマホアプリを購入しました。アプリに入っている問題を一通り解いて、間違った問題を復習するというスタイルで仕訳を勉強しました。

pboki.com

パブロフ流の商業簿記の問題集が結構良かったので、工業簿記の問題集も買いました。

www.shoeisha.co.jp

パブロフ流のいいところは、実際に問題を解くときにどのように下書きを作って問題を解けば間違えにくいかをわかりやすく示してくれているところです。また本やアプリを購入するとCBT形式の模擬試験を体験できるようになっているのも便利です。

いぬぼきとパブロフ流あわせての勉強時間は75時間程度です。模擬試験で96点取れたので、そろそろ行けるかなと思い試験を申し込みました。

会場は例によって歌舞伎座のテストセンターです。問題は問2が連結会計、問3が精算表、問4が部門別計算、問5が標準原価計算でした。検算したら違う計算結果が出て焦ったりもしましたが、合格点を上回る点数を取ることができました。蓋を開けてみると平均的にどの問題でもちゃんと得点しており、いぬぼきとパブロフ流のおかげだなとひしひしと感じています。

受験してみて

工業簿記は生産管理などにかかわらずに生きていると馴染みの薄い概念なので最初は面食らうのですが、実際に出題される問題はそれほど難しい問題ではなく、問題集をきっちりやっていれば無理なく取り組めるものでした。商業簿記連結会計の処理でしばらく苦しめられたのですが、繰り返し問題を解くことでパターンを見いだせれば飲み込みやすいと感じました。大変なのが精算表の処理や財務諸表の作成です。試験問題だと問3に登場する範囲ですね。これは概念自体が難しいわけではないのですが、処理の量が多くて結構疲弊します。一度ミスをすると後の結果が全部おかしくなるということも起きがちで、神経を使います。繰り返し問題を解いて、大量の処理をする感覚をつかむのが良いと思いました。

簿記2級を勉強して、これまでなんとなく理解していた企業会計についてきちんと理解できるようになったのは収穫でした。いくつになってもなにか新しいことを勉強するというのはいいものですね。