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ドコモの分離プランを検討する

改正電気通信事業法が国会で可決したことにより、端末代金と通信料金の完全分離が携帯電話事業者に義務付けられることになりました。これによって「契約の継続を条件とする端末購入代金の補助」と「端末購入を条件とする通信料金の割引」が禁止されることになり、携帯電話事業者各社からこれに対応するための新しい料金プランが発表されています。

これまでの各社の料金プランは、各社のプランの組み立て方に差が見られましたが、新しい料金プランには多くの共通点があります。

  • 大容量の定額プランと、あまり上限容量が大きくない段階制のプランがある
  • 固定回線と組み合わせての割引がある
  • 家族でまとめて契約すると割引がある
  • 通話定額はオプションになっている

今回は、そのうちドコモが発表した「ギガホ」「ギガライト」について検討してみたいと思います。なお、以下に示す料金は断りのない限り「税抜・2年縛りあり」のものとなります。

ギガホ

「ギガホ」は、月に30GBまで利用できるプランです。料金は6,980円です。これまでの料金プランは基本料金やデータ通信料金を分けて計算していましたが、新しい料金プランでは、全て込みの料金になっています。ギガホの特徴として、「上限超過時の速度が1Mbpsである」ことが挙げられます。これまでの制限速度である128kbpsに比べると高速化しており、SNSを閲覧するくらいの用途であれば問題なく利用できるのではないかと思われます。

ギガライト

「ギガライト」は、月の通信量に応じて料金が段階的に変動するプランです。料金は以下のとおりです。

通信量 料金
~1GB 2980円
~3GB 3980円
~5GB 4980円
~7GB 5980円

ギガライトも、ギガホと同じく全て込みの料金です。ただし、上限超過時の速度は128kbpsで、従来と同じです。

音声オプション

ギガホとギガライトでは、音声通話が20円/30秒の従量課金制になります。ただし、別のオプションを付けることで、5分以内の通話無料および通話定額をつけることができます。

オプション名 料金
5分通話無料オプション 700円
通話定額オプション 1700円

これとは別に「ファミリー割引」のグループ間の通話は無料です。つまり、家族間通話は無料です。

各種割引

ギガホおよびギガライトには、各種割引オプションがあります。

ギガホ割 (9月30日まで)

2019年9月30日までにギガホに加入すると加入から6ヶ月間1,000円引きとなります。

みんなドコモ割

ファミリー割引グループ内の音声回線数に応じて、ギガホやギガライトの料金が割り引かれます。カウント対象の音声回線は、2in1やキッズケータイ以外であればなんでもよく、ギガホやギガライトを契約している必要はありません。

回線数 割引
2回線 500円
3回線以上 1000円

ドコモ光セット割

ファミリー割引グループ内にドコモ光を契約している回線がある場合、ギガホは永年1,000円引き、ギガライトは1GBを超えて3GB以内の場合500円引き3GBを超えた場合1000円引きとなります*1

ずっとドコモ特典

従来の料金プランには、ドコモの利用年数に応じて毎月のポイント付与か通信料金割引がされる「ずっとドコモ割プラス」があったのですが、それは新しい料金プランで廃止されます。 そのかわりに、ドコモの利用年数に応じて誕生月にポイントが付与されるようになります。

その他のプラン

データプラス

ギガホかギガライトを契約している人が、同一名義でタブレットを契約する場合、データプラスを利用することで、ギガホやギガライトのデータ通信量をシェアできます。データプラスの料金は1,000円です。

ケータイプラン

ガラケー用のプランとして、ケータイプランというものが用意されています。料金は1,200円です。100MBぶんの高速通信が利用可能です。

キッズケータイプラン

キッズケータイ用のプランが500円で用意されています。データ通信容量はついていません。

注意点

従来の料金プランでは、毎月の利用明細の郵送を止める「eビリング」を契約することで20円の割引があったのですが、これは廃止になります。 テザリングオプションは廃止されており、なんの手続きや追加料金もなくテザリングが利用できます。 ギガホとギガライトでは、使いきれなかった容量の繰越ができません*2

筆者のケース

筆者が新料金プランに乗り換えるとどうなるかを計算してみました。

筆者の現在の料金プランは以下のようになっています。スマホタブレットの2台持ちをしています。

回線1

項目 料金
カケホーダイライト 1,700円
spモード 300円
ウルトラデータLパック 6,000円
ずっとドコモ割プラス -100円
留守番電話サービス 300円
ケータイ補償iPhone&iPad750 750円
ユニバーサルサービス 2円
eビリング割引 -20円
税抜合計 8,932円

回線2

項目 料金
データプラン 1,700円
spモード 300円
シェアオプション 500円
ユニバーサルサービス 2円
eビリング割引 -20円
税抜合計 2,482円

月々サポートがついていないので、合計で11,414円になっており、かなり割高に見えますね。

ギガホとデータプラスの組み合わせに変えてみます。ちなみに筆者の家族にドコモユーザーはおらず、ドコモ光も契約していない状態での計算となります。

回線1

項目 料金
ギガホ 6,980円
5分通話無料オプション 700円
留守番電話サービス 300円
ケータイ補償iPhone&iPad750 750円
ユニバーサルサービス 2円
税抜合計 8,732円

回線2

項目 料金
データプラス 1,000円
ユニバーサルサービス 2円
税抜合計 1,002円

合計では、9,734円になって、従来より1,700円近く下げられました。

回線1を見ると、データ容量が20GBから30GBに増えながらも、200円の値下げになります。しかしこれは月々サポートが適用されていない回線だったからで、月々サポートが適用されている回線からの変更だと値上げになる可能性が高いです。またdocomo withは永年1,500円割引だったので、ここから変更しても値上げになってしまいますね。10GB増やしたいかどうかという話になりますが、家族にドコモユーザーがいれば、みんなドコモ割を適用できるので、それほど見劣りしない料金にできるかもしれません。また、ギガホ割が適用できるので、加入から6ヶ月間はもう1,000円安くなります。

回線2はかなり下がりました。データプラスが結構安いのが大きいですね。タブレットとの2台持ちしてる人にとっては有り難いのではないでしょうか。

続いて、ギガライトで7GBまで使うケースを考えます。

回線1

項目 料金
ギガライト 5,980円
5分通話無料オプション 700円
留守番電話サービス 300円
ケータイ補償iPhone&iPad750 750円
ユニバーサルサービス 2円
税抜合計 7,732円

回線2

項目 料金
データプラス 1,000円
ユニバーサルサービス 2円
税抜合計 1,002円

ギガライトは上限でもギガホより1,000円安いです。ドコモ回線をあんまり使わないことにすれば、この選択もありです。1GB以内に収めれば、ギガライトの料金を2,980円にまで抑えられるので、合計料金が5,032円まで下がります。現実にはそこまで抑えるのは難しい気がしますが。

*1:2019/05/16 ギガライトの割引額を追記

*2:2019/05/15 容量の繰越ができない旨を追記しました