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KDDIが「povo」を発表、auとUQのプランも刷新

先日KDDIが発表会を実施し、新しい料金プラン「povo」を発表しました。

povo.au.com

「povo」の概要をかんたんに説明すると、

  • 月間データ容量は20GB
  • 20GB超過後も最大1Mbps
  • 5G対応
  • 通話無料はなし
  • eSIM対応
  • 契約やサポートはオンライン
  • 月額は2,480円(税抜)

となります。

「トッピング」というネーミングの妙

「povo」は、「ahamo」や「SoftBank on LINE」が含んでいた5分間の通話無料をプランに含めない代わりに、他の2つのプランよりも500円安い料金を打ち出すという戦略をとってきました。私自身は他の方法で他社との差別化を図ると思っていたので、料金を下げてきたのは予想外でした。

「povo」では、従来の料金プランでオプションと呼ばれていたものをトッピングと言い換えています。携帯業界におけるオプションという単語に含まれる「勝手に加入させられている」や「加入や退会が面倒」などのネガティブな印象を払拭するためのネーミングだと思います。「povo」では、このトッピングを自由に追加したり削除したりしやすい仕組みを提供するとしていて、またこのトッピングも今後順次拡充されていくとのこと。利用者が自分にあったプランにカスタマイズできるという方針を打ち出しています。若者向けというプランの設計思想にも符合していると思います。

「povo」自体と同時に発表されたトッピングは2つ。1つ目が通話無料です。5分間の通話無料が500円、時間制限のない通話無料が1,500円という設定です。「ahamo」や「SoftBank on LINE」だと5分間通話無料が標準付帯、時間制限のない通話無料が1,000円です。これら2つのプランの料金自体は「povo」より500円高いので、これらの通話無料をつけるのであれば3社いずれのプランを選んでも同じ料金です。

もう一つが24時間データ使い放題です。これは200円を払うことで、申し込んだ瞬間から24時間いくら通信してもデータ容量を使わなくてすむというものです。動画配信サービスで作品シリーズを一気観したいなど、メリハリの効いた使い方をする人にとってはメリットになりそうな面白いトッピングです。月末に20GB使い切ってしまったときに、1日や2日程度これでしのぐという手も考えられます *1

auの無制限プランが値下げ

今回の発表会では、既存のブランドであるauでもプランの刷新が行われました。ドコモやSoftBankが無制限プランの値下げを発表する中、auの無制限プランは価格が高止まりしている印象がありましたが、ここの引き下げが行われました。

新しく導入されるauのプラン名は「使い放題MAX 5G」と「使い放題MAX 4G」です。価格は6,580円でデータ容量は無制限。データ利用量が3GB以下の月は自動的に1,500円が割り引かれます。なお、テザリングのデータ容量は月間30GBに制限されています。

「povo」では特別な割引は用意されていませんが、「使い放題MAX 5G」と「使い放題MAX 4G」には従来のプランと同様に家族割やauスマートバリュー (固定回線とのセット割) が用意されています。また新たにau PAYカードでの料金支払いをすることで月額100円の割引が用意されました。

UQ はくりこしできるプラン

ワイモバイルと同様に、KDDIUQ mobileの扱いをどうするのかが気になっていましたが、やはり低価格路線を維持していくようです。

UQが今回導入した「くりこしプランS/M/L」はかなりアグレッシブなプランで、内容としては、「くりこしプランS」が3GBで月額1,480円、「くりこしプランM」が15GBで月額2,480円、「くりこしプランL」が25GBで月額3,480円となっています。プランの名前が示すとおり、余ったデータ容量を翌月にくりこせるのが特徴です。これは他社プランにはない強みになりそうです。

ネットワークについては、今のところは4Gのみの提供ですが、今夏より5Gの提供も開始するとのことです。もともとUQ mobileは4Gのみ提供するという方針でしたが、それを転換する形となりました。

感想

「povo」が通話無料を外す代わりに価格を下げてきたのは予想外。3社の中では後出しということもあってか、一段踏み込んだプランになっていると感じました。オプションを「トッピング」と言い換えたのもうまいですね。今後はKDDIの強みでもあるエンタメサービス連携周りのトッピングが充実してくると面白いのではと思いました。例えば、Netflixの視聴分はデータ容量にカウントされないトッピングがxxx円、なんてものも考えられそうです。

auのプランは順当に他社の水準に合わせてきたというところです。ただテザリングの無制限を公式に謳っているドコモのプランに対しては必ずしも強みを発揮できていないと言えます。auのプランは、もともとエンタメサービスとのバンドルが強みですが、そういったバンドルプランの価格設定は今回見直されておらず、後日の案内となっています。バンドルプランの料金が出揃ってからが本領発揮でしょうか。割引に新たにau PAYカードでの支払いによる割引が追加されましたが、これはドコモの丸パクリですね。ここはもう少しオリジナリティを出せなかったのかなと思うところです。

UQのプランは衝撃的なものでした。ワイモバイルが出してきた「シンプルS/M/L」に対して、安く、データ容量が多く、くりこしもできるので、完全に上位互換です。近いうちにワイモバイルはプランの見直しを迫られるのではないでしょうか。「くりこしプランS」に至っては、MVNOの類似プランよりも安い値付けになっており、しかもUQ mobileの回線品質は格安SIM業者の中でも定評があるものなので、MVNO殺しと言っていいプランでしょう。

昨年のauの発表会はインターネット上で酷評されていましたが、今回の発表は概ね評価されているようです。まだまだ料金プランの大変化は続きそうですので、注視していきたいです。

*1:追加データ容量1GBが500円なので、データ容量を買うよりも多くのケースで割安な気がします