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コミックマーケット99以降のサークル配置を考える

今回のコミックマーケットは、オリンピックの準備の関係で東ホールが使えないため、サークルを西ホールと南ホール、企業を青海にある仮設ホールに配置して4日間開催というこれまでにない方法での開催となりました。この方法での開催は、来年の春に予定されているコミックマーケット98まで行われます。

まだまだ先の話ですが、オリンピックが終了し関連設備が撤去されると東ホールも使えるようになるので、来年冬開催予定のコミックマーケット99からは、東ホールと西ホールに加えて南ホールも使用できる状態での開催となります。この状態でどのようにサークルや企業を配置する方法が考えられるかを、素人なりに考えてみました。

前提1 全ホールを貸し切る

会場が広くなっても従来どおり東+西の貸し切りにして、南は使わない方法もあるのでは、と考える人もいらっしゃるかもしれませんが、これはありえないと思います。コミックマーケットは非常に大規模かつ周辺への影響の大きいイベントで、コミックマーケットの開催中に別のイベントをビッグサイトで併催するのは不可能です。実際に、有明に移転後の最初のコミケは会場の広さに余裕があったので一部ホールのみを借りて開催だったようですが、併催イベントから苦情が来たため、早くもその次のコミケからは全館貸し切りとなっています。

加えて展示スペースの深刻な不足があることは事実であり、これに対して準備会も対策を講じたいとおそらくは感じているでしょう。サークルの抽選率がどうしても大きく話題になる傾向にありますが、実際には企業ブースの抽選率のほうがひどく、おおよそ半数の企業は落選しているとされています。準備会としては収益も見込みやすい企業ブースを拡大したいと考えているのではないでしょうか。

前提2 各ホールのサークル配置数

各ホールにいくつのスペースが配置されうるかを計算したいと思います。もちろん未来のことはスタッフでもなんでもない私にはわかりようがないですが、直近の配置実績を参考にすることはできると思います。

まずC95の際の東ホールの宝の地図を確認すると、東1~3で4374スペース、東4~6で同じく4374スペースでした。

西ホールと南ホールはC96の宝の地図を確認しました。西ホールは4日間にわたって「な」ブロックと「に」ブロックの運用がなかったので、これはなかったこととして計算すると、西1ホールで1484スペース、西2ホールで1484スペース、西3と西4ホールで1712スペースでした。さらに南1と南2で1770スペース、南3と南4で1802スペースでした。

ここ最近は使われていませんが、東7と東8についても見ておきます。最後にサークルが配置されたのはC93のはずなので、その宝の地図を確認しました。東7ホールが1858スペース、東8ホールが320スペースでした。

まとめると、

ホール サークル数
東123 4374
東456 4374
西1 1484
西2 1484
西34 1712
南12 1770
南34 1802
東7 1858
東8 320

となります。

なおこの計算では、外周などに配置されている準備会事故用スペースを計算に入れていません (毎回数が変わっており、全体スペースに占める割合も大きくないため)。

また日によっては一部のスペースの撤去や追加が発生することがあります。これで数百スペースが減ったり増えたりしますが、コミックマーケットの参加サークル数に占める割合は大きくないので、今回は考えないことにします。

さらに、外周を中心に一つのサークルが2つのスペースを利用するケースもありますが、これもやはりサークル全体で見れば特異な例なので、今回は考えないこととします。

前提3 申し込みサークル数

コミックマーケット準備会はここ数回の申込みサークル数を明示的に公開していません *1。最後に公開されているのは、コミックマーケット93アフターレポートに記載されている42000サークルという数字です。

www.comiket.co.jp

ここ最近のコミックマーケットへの申込数は緩やかな減少傾向にあることを踏まえて、直近の申込数は41000サークルとして、考察をしたいと思います。

案1 南ホールに企業ブースを配置する案

安直に思いつくのが、南ホールに企業ブースを配置して、東西にサークルを配置する案です。こうすると、サークルスペースは3日間で40284スペース用意でき、今よりも5000スペースほど供給を増やせます。

申込数にはわずかに届かないですが、実際には書類不備で毎年1000サークル単位での落選が発生していることを考えると、おそらくほぼ全通になると予想されます。

案2 西南ホールの上層部に企業ブースを配置する案

実際に会場入りするまでは案1しか考えていなかったのですが、会場を見てから思いついたのがこの案2です。西34ホールと南34ホールは同一階層になっており、人がいなければものの数十秒で相互を移動可能です。逆に南ホールの上下移動はエスカレーターを2回経由する必要があり面倒です。それならば西34と南34を企業ブースにして、西12と南12を同人にするというのも合理性があります。

今回1日目は一般参加で入場したのですが、その際も西南の下層ホールと上層ホールで待機列が分けられており、準備会としてもこの運用も含めて想定しているのではないかと思います。

配置可能サークルスペースは3日間で40458スペースとなり、案1よりもさらに増やせます。

案3 西南ホールの下層部に企業ブースを配置する案

上層部に配置するのがあるなら、下層部に配置するのもありそうな気がしますが、これは個人的にないと思います。なぜなら西南ホールの上層部に東ホールから移動するには西南ホールの下層部を必ず通る必要があるからです。同人スペース同士の行き来に、激しい混雑が予想される企業ブースを間に挟む運用を準備会は嫌うのではないでしょうか。

案4 企業ブースをケチる案

案1でも案2でも企業ブースのスペースが今よりも拡大しますが、一方で企業ブースのスペースを現状維持してサークルスペース数を更に稼ぐというのも考えられなくはないでしょう。例えば企業ブースを南34ホールに配置して、東1~6と西1~4と南12ホールを同人が使うという方法を取れば、3日間で45594スペースを供給できます。企業ブースを西34ホールに配置して、東1~6と西12と南1~4ホールを同人が使うという方法を取れば、更に多い45864スペースの供給となります *2

ここまで来ると申し込みサークル数を大幅に上回る供給となり、多少の書類不備でも通す感じになりそうです。ちょっとサークルスペース数を減らして、ケータリングのお店が並ぶエリアを作ったりもできそうです *3。一方で、慢性的に不足している企業ブースの抽選率がひどい状態は改善しません。

番外 東7・東8ホールをどう運用するか

上記案では、東7・東8ホールをどう運用するかは触れませんでした。まずここにサークルを配置する案ですが、個人的にはないのではと思います。理由はいくつかありますが、

  • ポスターを一切貼れない。ブロックの位置を示す文字も貼れない
  • トイレが1つしかなく、女性参加者にとっては厳しい環境
  • 形状が使いづらいうえに柱が多くて邪魔

などがあります。 企業ブースのスペースが慢性的に不足しているので、東7も企業に割り当てるのが良いのではないかと思います。企業を東7ホールと東でないホールに分散配置するという手法はC95をはじめとして実績があるので、その点でも問題ないでしょう。

東8についても実績ベースで考えれば女子更衣室ということになり、確かにコミケの展示スペースとして使うには狭すぎるので、更衣室などに使うのが今後も妥当だと思います。

番外2 4日間開催は今後あるか

案で示したとおり、東西南がすべて使えるようになれば4日間開催しなくても申し込みサークルのほぼ全てにスペースを供給可能になります。また、申込みサークル数は漸減しているので、当分4日間開催が復活することはないだろうというのが私の考えです *4。リストバンドもトラブルだらけだったので、もうやりたくないというのが準備会の本音だと推察します。

番外3 人的リソースの問題

ホールが拡大すると、その分スタッフリソースの問題が大きくなることが予想されます。今回のC96ではスタッフ組織の中でかなりいろいろなことが発生していたようで、安定したスタッフの確保が今後もできるのかは気になるところです。

*1:理由について思うところは色々ありますが、ここでは触れません

*2:案3で述べた理由から、企業ブースを下層部に配置する案は考えないことにします

*3:牛串の香りが新刊に染み付くといった問題が起きないような工夫は必要

*4:冬の2日開催→3日開催が定着した背景には申込みサークル数の堅調な推移がありました