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「ahamo大盛り」を考える

ドコモがahamoが開始してもうすぐで1年です。同時期に登場した他のオンライン専用プランと比べても、どうやら順調に契約数を伸ばしているようです。

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そんなahamoがここに来て「大盛り」を始めることがわかりました。実際のサービス開始は6月を予定しています。

ahamo.com

「大盛り」は+1,980円で80GBのデータ容量を追加できるahamoのオプションです。ahamoの契約とあわせて4,950円で100GB使える計算になります。一応上限はありますが、100GBはほとんどの人にとって無制限に近いデータ容量でしょう。また、これほどの大容量を提供しているSIMは数が少なく、あえて今までほとんどの事業者が手を出してこなかった領域を攻めてきたことになります。

5Gギガホプレミアと比べる

「大盛り」の4,950円という価格設定は絶妙です。ドコモは5Gギガホプレミアというデータ容量無制限のプランを提供しています。この5Gギガホプレミアに年齢制限なく適用できる割引を重ねていくと「大盛り」より少しだけ安くなるのです。

価格
5Gギガホプレミア 7,315
みんなドコモ割 (3回線以上) -1,100
ドコモ光セット割 -1,100
dカードお支払い割 -187
割引適用後料金 -4,928

たった22円ですが、たしかに安くなります。家族でドコモ回線が自分含めて3回線以上あり、ドコモ光を使っていて、料金をdカードで支払うという複数の条件が必要ではありますが、これらを満たせるのであればわざわざ100GBという制限がある「大盛り」を使うメリットはないように見えます。

ただ、ahamoには5Gギガホプレミアにはない特色もあります。まず5分間通話無料が付属していることです。ちょくちょく電話をする機会があってさすがに100GBまでは使わない人なら、「大盛り」にしたほうがお得な可能性があります。また海外ローミングが無料なのもahamoの特徴です。今のご時世だと海外には行きづらいですが、今後海外旅行に行きやすくなって海外に行く機会が増えそうという人であれば、ahamoをあえて選ぶメリットがありそうです。

また、5Gギガホプレミアが「大盛り」より安くなるには上に挙げた3つの条件をすべて満たしている必要があるので、どれか一つでも満たせないという場合は少し高いお金を払って無制限を手に入れるか、料金を重視して100GBに抑えるかという選択になります。

U30ロング割も含めて考える

ところで、ahamoの想定ユーザー層はそれなりにスマートフォンを使いこなしている若年層だと思われますが、ドコモでは30歳以下のユーザーを対象にU30ロング割という割引が提供されています。U30ロング割では加入から6ヶ月間-3,839円、7ヶ月目以降31歳の誕生日を迎えるまで-550円の割引が適用されます。

U30ロング割に先程の5Gギガホプレミアの最大限の割引を加えると、6ヶ月間1,089円、7ヶ月目以降4,378円となるので、「大盛り」との価格差は更に広がります。この場合だと5分通話無料オプションを付けても、6ヶ月間1,859円、7ヶ月目以降5,148円となって、31歳になるまで「大盛り」の価格に220円追加するだけで無制限に使えるという計算になります。しかも最初の6ヶ月で「大盛り」とは18,414円の差がついているので、7年近く使い続けてはじめて「大盛り」の累計支払額よりも高くなる計算です。これならU30ロング割を適用した5Gギガホプレミアのほうが良さそうに見えます。

もちろん、家族にドコモ回線を使ってる人がいない、ドコモ光を使っていない、などの条件であれば「大盛り」のほうが安く済むということもあるでしょう。

オプション扱いなので使い勝手が良い

そんな「大盛り」ですが、なんと月途中でも当月開始の契約が可能です。つまり20GB超えそうだなと思ったら「大盛り」をつけて100GBにしてしまうということができるのです。普通の料金プランはより大きなデータ容量で使いたいとなるとプラン変更が必要で、その変更は翌月適用になりますが、「大盛り」はあくまでオプションなので当月適用も可能というわけです。通常1GBを550円で追加できるので、4GB以上追加でほしいとなれば「大盛り」を使ったほうがお得になります。

オプションなので、当月だけ適用して翌月以降解約するということもできます。連休があってたくさん使いそうな月だけ契約するという運用もできます。柔軟性を持って使えるのは嬉しいポイントです。

「大盛り」の投入は意外だった

「大盛り」が投入されるというニュースを耳にして、私は正直意外だと思いました。というのも、ahamoは若年層をドコモに囲い込むためのプランで、今後データ容量が20GBでは足りなくなったときに無制限プランを契約してもらうための「撒き餌」だと思っていたからです。実際、「大盛り」の発表イベントでも若年層のデータ使用量は毎年増え続けていることがアピールされています。ところがドコモはahamoのままでも100GBという超大容量を使えるようにしてしまいました。どういう勝算があって「大盛り」を投入したのかはわかりませんが、興味深い動きだと思いました *1

超大容量プランは選択肢が少なく、大手事業者が提供している無制限プランや一部のMVNOが提供する再販型と呼ばれるプランぐらいしかありません。再販型と呼ばれるプランはまず音声通話がついていないので、競争相手があまり多くない領域で「5分間通話無料」という音声通話の特色をつけて攻めていこうということなのかもしれません。

*1:確かに「撒き餌」にしては、ahamoから5Gギガホプレミアへの変更はドコモショップへの来店が必要で、かつ手数料もかかるので微妙だとは思っていたのですが (記事の投稿当初は手数料がかかると書いておりまして、これはドコモショップにて実際にそう案内を受けたからなのですが、ahamo→5Gの変更であれば手数料はかからないという話もあるようです。ここに訂正します)