最近、自宅の作業スペースの配線や充電環境を整えたいなという気持ちが強くなってきています。そこから派生して最近のUSB周りの規格の動向を調べていたんですが、どうやらThunderbolt 4のケーブルを1本持っておくと良さそうだということに気づいたので、早速買ってみることにしました。
Thunderbolt 4は2020年に登場した有線データ通信の規格です。最大で40Gbpsでのデータ伝送が可能です。Thunderbolt 自体はもともとUSBとは別の規格として誕生したのですが、Thunderbolt 4は2019年に登場したUSBの最新規格のUSB4に準拠する形で定義されていて、事実上USBと統合された概念になりました。
このThunderbolt 4のなにがすごいかというと、今存在するUSB規格の(ほぼ)上位互換みたいな規格だという点です。現在のコンピュータでよく使われているUSBの通信規格は
の5つもあります。さらにAlternate Modeという概念があって、USBのケーブルにDisplayPortやThunderbolt 3の通信を流すこともできます。これに加えてUSB PDという給電規格があって、ノートPCが充電できるほどの大電力をUSBケーブルで供給できたりもします。
ここで問題なのは、すべてのUSBのケーブルがこれら全ての機能に対応している保証はないということです。ケーブルによってはUSB 2.0までしか使えなかったり、Alternate Modeが使えなかったりということが起きるのです。見た目は同じケーブルなのに対応している機能がまるで違うということで、よくインターネット上でもネタにされている複雑さなのです。しかし、Thunderbolt 4の認証を取得しているケーブルはUSB 2.0以上、DisplayPortのAlternate Mode、Thunderbolt 3のAlternate Mode、USB PDの全てに対応していることが保証されています。つまり、Thunderbolt 4認証のケーブルを持っていれば、USBやThunderboltの機能をフルに使えるケーブルを持っているのと同じことになるわけです。まさに万能と言える存在で、1本持っていれば何かと今後役立ちそうだと思い、購入してみたという経緯です。
今回購入したのはCable Mattersというメーカーが提供している0.8mのケーブルです。Amazonだと2799円で売っていました *4。高機能なだけあってUSBケーブルとしては長さの割に高いです。USB 2.0とUSB PDだけ対応のケーブルなら、USBの認証を取っている製品でも1000円程度で売られていたりします *5。
開けてしまった後に慌てて撮影したので汚くなっていますが、購入時にはきちんと袋に入っていました。
認証を取得しているのでちゃんとThunderboltのロゴがプラグ部分に入っています。印刷もきれいかつ目立ちすぎない色合いであり、良いと思いました。
実際に手持ちのMacBook ProとEIZOのモニターを繋いでみましたが、問題なくDisplayPort Alternate Modeでの通信ができ、USB PDでの60W給電もされていました。Thunderbolt の通信は今のところ試せていないですが、新しくMacを購入することがあればデータ移行で試そうと思います。
コストが高いのと、高速通信に耐えるためかケーブルの太さが太めで取り回しにくいところがあるので、すべてのUSBケーブルをThunderbolt 4ケーブルに置き換えるのは現実的ではないと思いますが、例えば、充電など取り回しの良さを重視したいところでは安価なUSB 2.0のUSB PD対応ケーブルを使い、高速な通信をしたいところではThunderbolt 4ケーブルを使うというふうにすれば、コストや取り回しの良さに配慮しつつ、最新のUSB規格にも対応しやすい配線環境になるのではと思いました。ケーブルの種類がある程度統一されていると差し替えもしやすいですし。