先日KDDIからpovoの新しい料金プラン「povo2.0」が発表されました。
povo2.0 とは?
povo2.0は、契約自体は月額0円、そこにさまざまな「トッピング」を乗せることで高速データ通信や通話かけ放題といったサービスを受けられるという設計のプランになっています。なんのトッピングもない状態では、最大通信速度の128kbpsのデータ通信と電話サービスだけが利用できます。データ通信のトッピングは以下の種類があります:
トッピング | 価格 |
---|---|
24時間使い放題 | 330円 |
1GB 7日間 | 390円 |
3GB 30日間 | 990円 |
20GB 30日間 | 2,700円 |
60GB 90日間 | 6,490円 |
150GB 180日間 | 12,980円 |
従来のpovoは月額20GBで2,728円だったので、同一条件だと少しだけpovo2.0のほうが安くなります。またさらに容量の大きいトッピングも用意されており、例えば60GBを購入すればこれは90日間使えるので、30日あたり約2,163円となってさらに安くなります。150GBトッピングなら30日あたり25GB使えて約2,163円なのでさらに安い計算です。
トッピングの期限の区切りが月単位ではなく、購入した瞬間からのカウントになっているのが独特です。例えば9月29日に20GBトッピングを買えば、10月30日まで20GBぶんのデータ容量を使えます。今までの携帯料金プランにはあまりなかったスタイルではないでしょうか。
通話系のトッピングは以下の種類があります:
トッピング | 価格 |
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5分以内通話かけ放題 | 550円 |
通話かけ放題 | 1,650円 |
こちらの価格は従来のpovoと同じで、また月単位の課金です。つまり特に変更点はありません。
その他にも以下のトッピングが用意されています:
トッピング | 価格 |
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7日間DAZN使い放題パック | 760円 |
24時間smash使い放題パック | 220円 |
スマホ故障サポート | 830円 |
7日間DAZN使い放題パックと、24時間smash使い放題パックは、それぞれDAZNとsmashのサービスとそのサービスを利用する際のデータ通信が使い放題になるというパックです。スマホ故障サポートは、スマホの故障・破損・水濡れ時に最短当日の交換が可能になるサービスです。交換には別途費用がかかることと、盗難紛失には対応していない点に注意です。
従来のpovoとは別物である
KDDIの宣伝上では従来のpovoの後継であるように扱われていますが、povo2.0は従来のpovoとは別物のサービスです。auや従来のpovoからの切り替えにあたってはSIMの変更が必要と案内されています。また、従来のpovoでは対応していた着信転送や家族割のカウント、LINE年齢認証も利用できません。ピクトグラムも従来のpovoでは「au」と表示されていましたが、povo2.0では「povo」と表示されるようになり、まるで別のキャリアのサービスであるような扱いとなっています。UQ mobileに近い存在というほうが実情を表しているかもしれません。
povo2.0 を契約してみる
9月29日午前9時よりpovo2.0の受け付けが始まったので、eSIMの純新規契約を試してみました。povo2.0はアプリから申し込む形となっているようです。新しく買ってきたスマホに新規に回線契約を入れたい、という場合はWi-Fiにつなぐなどして通信環境を確保する必要があります。
povo2.0はau IDを使わないらしく、独自のアカウントの作成が必要です。メールアドレスを入れてそのアドレスに届いた認証コードを入力することでアカウントの作成ができます。
SIMの種類と、新規契約なのかMNPなのかを選びます。今回はeSIMの新規契約です。
重要事項説明があるので、読んで同意します。
povo2.0は、支払い方法としてクレジットカードのみ利用が可能です。カード情報を入力します。Twitterを見ているとデビットカードでも登録はできるようです。
ここまでのステップを完了したら、次は本人確認です。eKYCになっているので、本人確認書類の撮影、顔の撮影、首振りの撮影をやります。個人情報に関わるところなので、ここのスクショは勘弁ください。なお、本人確認書類として利用が可能なのは、運転免許証、マイナンバーカード、在留カードのみとなっています。
eKYCを終えると、契約者の情報を入力する画面に遷移します。私はマイナンバーカードを使ってeKYCをしたのですが、画像認識技術が使われているのか、名前や生年月日、住所などの情報は自動入力されていました。この画面での入力を終えたら、本人確認の審査が終わるまでしばらく待ちます。混んでいたのか5時間ほど待たされました。申し込みラッシュが落ち着けばもっと早くなるとは思います。
本人確認完了は登録したメールアドレス宛のメールで通知されるので、それを受け取ったらアプリを開きます。「eSIMを発行する」というボタンが出てきているので、そこから指示に従います。途中でeSIMを端末に登録しますが、これをどうやるかに少し難儀しました。アプリ上にQRコードが表示されており、これを読み込めばeSIMを登録できるのですが、アプリを操作している端末でpovo2.0を使いたい場合、QRコードを表示する端末とQRコードを読み込むべき端末が同じになってしまいます。QRコードとは別にアクティベーションコードも表示されているので、これをコピーして入力することでなんとか登録できました。長い文字列をコピーして貼り付けるのは面倒くさいので、もうちょっといい方法が用意されてほしいですね。eSIMの規格上はアプリを使った登録もできるはずなので、せっかくアプリがあるならこの方式を採用してほしいです。
回線が開通すると、アプリの表示も変わって利用可能データ容量やトッピングの管理ができるようになります。
povo2.0 を使ってみる
このままだと128kbpsの低速通信しかできず使い物にならないので、早速データ通信のトッピングを買ってみます。試しなので1GBのトッピングを買ってみました。アプリから1GBのトッピングを選択すると、購入確認画面が出てきます。「購入」ボタンを押すとすぐに購入が完了して、1GB使えるようになります。データ通信のトッピングの代金は即時課金のようで、登録したクレジットカードに390円分の利用通知が届いていました。
サクッとデータ容量を買えるのは良いなと思った一方、トッピングの継続購入はできないので、データ容量を使い切ってからトッピングを購入しようとすると通信速度が遅くて面倒なことになるかもしれません。その点は注意が必要です。
夕方の混みそうな時間の速度を測定してみました。端末はiPhoneで4G通信でした。従来のpovo (povo1.0と呼ばれることになっています) とも比較してみました。
povo2.0開通 pic.twitter.com/7PnbtosCon
— alstamber (@alstamber) 2021年9月29日
povo1.0はこれくらい。端末は同じ、時間帯は18時台。 pic.twitter.com/yX4DKv7OEO
— alstamber (@alstamber) 2021年9月29日
povo2.0とpovo1.0の間には有意な差はなさそうです。povo2.0のユーザーがまだ多くないこともあるかもしれませんが、これくらいの速度が常時出るのならpovo2.0でも安心して使えそうです。povo2.0の使い勝手が良さそうであれば、従来のpovoについては解約するつもりです。引き続き昼間の速度や24時間使い放題の使い心地などを検証していきたいと思います。