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大手キャリアがオンラインでの端末単体販売を拡充する方向

総務省が4月16日に開催した「競争ルールの検証に関するワーキンググループ」の会合にて、ドコモ・KDDISoftBankによるオンラインでの端末単体販売が拡充される方向であることがわかりました。

www.soumu.go.jp

ドコモは、現在店頭での一括払いを条件に端末の単体販売を行っています。また、「スマホおかえしプログラム」への加入を条件としてオンラインショップでも端末の単体購入が可能です。これについて、期限は明らかにしていないものの、今後店頭における分割払いの対応と、オンラインショップでの一括払いの対応を進める方針を明らかにしています。また、今夏を目途に端末の単体購入の際にもドコモの補償サービスである「ケータイ補償サービス」に加入できるようにすることを明らかにしています。回線契約と「ケータイ補償サービス」が分離されることになり、ドコモの回線を解約しても「ケータイ補償サービス」を任意で引き続き契約できるようにもなる見込みです。

KDDIは今のところオンラインショップでの非回線契約者による端末購入ができませんが、夏頃に非回線契約者によるオンラインでの端末の購入に対応するとのことです。povo契約者向けに5月頃にオンラインショップでの端末購入が可能になると案内しているので、おそらくこれが対応するものだと思われます。また、auブランドで提供されている「故障紛失サポート」についても端末単体購入で加入できる同様のサービスを検討していることを明らかにしています。

SoftBankもオンラインショップでの非回線契約者による端末購入はできませんが、今年度末を目途に非回線契約者によるオンラインでの端末購入に対応するとしています。加えて、SoftBankには「あんしん保証パック」という端末補償サービスがありますが、こちらもau同様に端末単体購入でも同様のサービスを提供できるようにする計画があるということです。

端末単体購入の拡充は、従来から総務省が進めている「通信の端末の分離」の促進のためには必要なのでしょうが、今のまま進めてもあまり消費者に対するメリットはないのではないのではと思います。1つ目の理由として、これらのキャリアから販売されている端末はSIMフリー版の同機種と比較しても割高なことが多いことが挙げられます。例えばiPhone12 128GBは、Apple直販のSIMフリー版が99,880円なのに対して、ドコモが109,296円、KDDIが108,260円、SoftBankが116,640円です。一番高いSoftBankと比較すると16,760円も違います。しかもこのキャリア販売価格はオンラインショップで購入した場合の価格で、たいていのショップでは頭金という形で価格が1万円ほど更に高く設定されているため、さらに高い端末価格を払うことになります。もちろんキャリアから購入するとキャリア独自の割引が受けられるケースもありますが、これは基本的にMNPや3G/4G契約からの切り替えが条件となっており、端末単体購入で受けられる恩恵ではありません。各キャリアが実施している端末返却を条件とした端末購入補助プログラムも、iPhoneの場合中古の買取価格が高いので、プログラムを使うために割高な価格を払うメリットは薄いだろうと思います。

Androidの場合は、キャリア販売端末における対応バンドの少なさが引っかかります。現在キャリアから販売されているAndroid端末は、他社のプラチナバンド帯に対応しないようになっている端末が多いです。結果として、例えばau回線を持っている人がドコモ専売の端末が欲しいのでドコモから端末単体購入をしても、その端末はauのプラチナバンドに対応していないので、au回線の能力を十分に使いこなせないということになってしまいます。

とはいえ、Redmi Note 9Tのような遊べそうな端末でありながらもキャリア専売で買いにくかったものを更に気軽に買えるようになるのは、ケータイ好きとしてはありがたいところです。販売チャネルが多様化すれば、競争も進み端末価格や端末の対応バンドを始めとするスペックの差異についても改善されていくかもしれません。個人的には、キャリア提供の補償サービスについて複数個を契約できるようにもしてほしいです。端末を新しく買い換えると古い端末か新しい端末かのどちらかにしか契約を残せないのは使いづらいです。