alstamber lab

ガジェットとキャッシュレス決済とホテル徘徊が好きな人のブログです。

SoftBankが新ブランドコンセプト「SoftBank on LINE」& ワイモバイル新プランを発表

本当は昨年のうちに書こうと思っていたのですが、すっかり出遅れてしまいました。SoftBankが昨年の料金プラン発表会にて「SoftBank on LINE」という新しいブランドのコンセプトおよびワイモバイルの新プランを発表しました。

www.softbank.jp

SoftBank on LINE」の概要をかんたんに説明すると、

  • 月間データ容量は20GB
  • 20GB超過後も最大1Mbps
  • LINEの利用分がカウントフリー
  • 5G対応
  • 5分までの国内通話無料
  • eSIM対応
  • 契約やサポートにはWebやLINEのアプリを使用
  • 月額は2,980円(税抜)

となります。プランの内容の概略は「ahamo」にそっくりですね。

LINEモバイルを吸収して実現

このブランドの特徴としては、LINEのカウントフリーやLINE経由での契約が可能であることといった、LINEとの連携を強く打ち出している点が挙げられます。「SoftBank on LINE」は、現在LINEとソフトバンクの合弁企業として事業を営んでいるLINEモバイルソフトバンクの完全子会社化および吸収合併して提供するということになっており、もともとLINEモバイルが持っているLINEカウントフリーの実装などを流用することが予想されます。運営自体はSoftBankが行うことになるので、ネットワークはソフトバンクのものをそのまま利用することになり、「ソフトバンク同一ネットワーク同一品質」であることが「SoftBank on LINE」の紹介ページでも謳われています。

従来のLINEモバイルはどうなる

企業としてのLINEモバイルSoftBankに吸収されるにあたって、今存在するMVNOとしてのLINEモバイルの処遇が気になりますが、新規契約の受付を停止し、既存の契約はそのまま維持されるという方向になるようです。これは楽天モバイルの対応と同じです。楽天モバイルもMNO参入にあたって従来のMVNO事業については新規契約を停止し、既存の契約は維持する形をとっていました。SoftBankに吸収されることでMNOとなり、MNOがMVNOを運営することに対しては特にドコモから強い反発もあって続けられないということだと思います。

ワイモバイルの新プランは?

SoftBank on LINE」という低価格なオンライン専用ブランドの登場により、もともと低価格路線で売っていたワイモバイルの位置づけがどうなるのかが気になっていましたが、そこそこ低価格だけどお店でもちゃんとサポートしますという売り方になるようです。もともと導入が計画されていた20GBと10分間通話無料で4,480円の「シンプル20」プランはなかったこととなり、新たに3つの料金プランが設定されることになりました。

シンプルS シンプルM シンプルL
データ容量 3GB 10GB 20GB
5G対応 o o o
データ容量超過時の通信速度 300kbps 1Mbps 1Mbps
基本使用料 1,980円 2,980円 3,780円

通話無料はオプション化されて、10分まで無料の月額700円のオプションと、無制限無料の1,700円のオプションが新設されます。「シンプルL」を契約して10分無料オプションを付けると4,480円となって、「シンプル20」と同等のプランとなります。つまり「シンプルL」は「シンプル20」の通話無料部分をオプション化して料金を引き下げたものと言えます。「SoftBank on LINE」は20GB使えて2,980円に対して、ワイモバイルで20GBほしいとなると「シンプルL」の3,780円となるので、800円高くなって5分間通話無料もなくなってしまいますが、これはサポートに必要な費用という立て付けなのでしょう。

感想

SoftBank on LINE」は「ahamo」を強く意識したプランといえます。20GBで2,980円という価格設定、5G対応、オンライン契約を原則としていること、5分間通話無料など類似点が多く見られます。「ahamo」登場から短期間でワイモバイルのプランも含めてきちんと整理をしてきたところは、SoftBankらしいスピーディーさと言えるでしょう。一方で、「ahamo」との差別化のために打ち出したと思われるLINEとの連携はアピールとして弱いのではと思えました。LINEの通信がカウントフリーと言っても、LINE自体の通信量がそもそも知れています。もともとLINEモバイルもLINEカウントフリーを大々的に打ち出しながらもその戦略がうまく行かず、SoftBankとの合弁による支援を受けたという経緯があります。LINEアプリからの契約というのもLINEが打ち出しているスーパーアプリ戦略に絡んでいるものだと思いますが、そのために「ahamo」ではなく「SoftBank on LINE」を選ぶかと言われると難しいと思います。「SoftBank on LINE」という名前も、そもそもブランドコンセプト名称であって正式なブランド名と確定しているわけではないようで、「ahamo」のようにまだ派手に宣伝できる状態にもありません。ブランドの始動までの間に更にブラッシュアップしないと競争に勝てないのではないでしょうか。

ワイモバイルのプランは、5Gへの対応を打ち出してきたのがポイントでしょう。もともとKDDISoftBankは、いわゆるサブブランドでは当面5Gに対応しない方向でしたが、今回それを転換することとなりました。サービス内容の差というよりは、容量とサポート内容の差によってブランドを分け価格設定も変える、という形となり、消費者にとっては幾分かわかりやすくなったのではないでしょうか。