SoftBankが新料金プラン「メリハリ無制限」を発表
びっくりするほどの新料金プランラッシュです。SoftBankが22日に発表会を行い、新しい料金プラン群を発表しました。インターネットではオンライン専門ブランドの「SoftBank on LINE」が話題のようですが、あえてまずはSoftBankブランドの新プランである「メリハリ無制限」を取り上げたいと思います。
「メリハリ無制限」の概要を説明すると、
- 4G/5G共通プラン
- データ容量は4Gエリア含めて無制限
- テザリングは30GB
- 利用データ量3GB以下の月は1,500円引き
- 価格は6,580円
となります。新旧プランで比較すると、
メリハリプラン(5G) | メリハリ無制限 | |
---|---|---|
価格 | 8,480円 | 6,580円 |
データ容量 | 50GB + 一部サービスカウントフリー | 無制限 |
と
メリハリプラン(4G) | メリハリ無制限 | |
---|---|---|
価格 | 7,480円 | 6,580円 |
データ容量 | 50GB + 一部サービスカウントフリー | 無制限 |
となります。
ドコモの「5Gギガホ プレミア」よりは70円安く、4Gプランの「ギガホ プレミア」よりは30円高いという絶妙な価格設定。「5Gギガホ プレミア」や「ギガホ プレミア」とは似ていますが、テザリング制約があるのと4G/5Gで価格が統一されているのが特徴でしょうか。個人的にはドコモが4G/5Gでわずか100円の差をつけていたのを「思い切りがないなあ」と思っていたので、思い切って統一したシンプルな料金にしたのは評価したいです。ショップの人も多少は説明が楽になるかも。
ホワイトプラン+7GBデータ通信より安い
「メリハリ無制限」の定価は6,580円ですが、かつて存在した基本料プランである「ホワイトプラン」と、同じくかつて存在したデータ容量7GBプランである「パケットし放題フラット for 4G」を組み合わせたときの価格は6,934円でした。「ホワイトプラン」の後様々なプランがSoftBankから発表されましたが、その中でデータ容量が7GBを超えていてかつ6,934円より安いプランというのは私が調べた限り存在しませんでした*1。つまり「メリハリ無制限」は、かつて存在した7GBプランよりも安く大量のデータ通信ができる初めてのSoftBankのプランということになります。これは非常にエポックメイキングなことだと思います。
テザリングオプション無料
ドコモおよびau、楽天の大容量プランでは申込不要だったり無料化されていたりしたテザリングオプションですが、SoftBankは長らく500円の料金を徴収していました。これがようやく「メリハリ無制限」では無料になります。これは評価したいですね。30GBまでしか使えないですが。
期間限定割引は廃止
ドコモの新プランもそうでしたが、契約から6ヶ月や1年の期限を切って割引をするプログラムは一切廃止されました。発表会では副社長が「良かれと思ってやっていた」と表現していましたが、政府からは「料金プランが複雑だ」と槍玉に挙げられていましたし、世間一般の評判もauの発表会が炎上したことを始めとして芳しくなかったということで、綺麗サッパリ取りやめということになったようです。
発表会でも、後述する家族割や固定回線セット割などを含めない定価を押し出した発表にするなど、割引の扱い方には慎重になっている印象を受けました。SoftBankはこういう空気を読むところは本当にうまいです。auは正直すぎるんですよね。
家族割のサービス内容が変更に
これまで存在していた家族割サービスである「みんな家族割+」に代わって「新みんな家族割」という家族割サービスが導入されます。
従来の「みんな家族割+」では、指定したプランを契約している家族の人数に合わせて
2人 | -500円 |
3人 | -1,500円 |
4人以上 | -2,000円 |
と割引がありましたが、
新しい「新みんな家族割」では
2人 | -600円 |
3人以上 | -1,100円 |
と、3人以上での割引額が縮小されました。最大の縮小幅となる4人以上の場合は900円割引が減るので、例えば家族4人が4Gの「メリハリプラン」を契約している状態から全員で4Gの「メリハリ無制限」に変えても料金は変わらないという結果になってしまいます。このような細かい改悪を一緒に入れるのはやめてほしいですね。
ところで、「メリハリ無制限」のプレスリリースには「「メリハリ無制限」の提供に伴い、加入した家族の人数に応じて月額料金を割引する「みんな家族割+(プラス)」について、サービス名称を「新みんな家族割」に変更の上、内容を改定します。」と書いてあるのですが、もしかしてすでに「みんな家族割+」が適用されている人は「メリハリ無制限」開始と同時に勝手に「新みんな家族割」に変えられてしまうのでしょうか。それだと今「メリハリプラン」を契約している人はみんな「メリハリ無制限」にしないと損ですね……。これってどうなんでしょう?
固定回線とのセット割である「おうち割光セット」は従来どおりのようです。家族3人以上で固定回線とのセット割を含めれば、
定価 | 6,580円 |
家族割 (新みんな家族割) | -1,100円 |
固定回線セット割 (おうち割光セット) | -1,000円 |
合計 | 4,480円 |
となって、きっちりドコモの「5Gギガホ プレミア」の最安価格と同じになりました。
速度制御はどうか?
無制限プランとはいっても完全に制限がないわけではなく、「時間帯により通信速度を制御することがあります」という但し書きがあります。この但し書きは以前からあるプランである「メリハリプラン」にもありました。この制御が他社の無制限プランと比べてどの程度厳しいかは気になるところです。
まとめ
ドコモの発表からほとんど間を空けずに料金プランを出してくるのはSoftBankらしい対応でした。4G/5Gでプランを統一し、4Gプランであっても無制限プランを提供してきたのは評価できます。かつての「ホワイトプラン」よりも安いのにデータ容量無制限となっているのも評価したいです。ただし、テザリング30GB制限がある点に注意が必要で、それでいてドコモとほぼ変わらない価格設定なのはちょっと割高感を拭えないですね。家族割の内容をこっそり改悪しているのもどうかと思います。そういうことをしているから、某省から目をつけられるんだと思いますよ。
と、批判的なコメントをしましたが、私は実家がSoftBank一本で固定回線もSoftBank光だったりするので、ちょっと契約してみてもいいかなと思っています。無制限を掲げていて楽天よりは回線品質もいいだろうモバイル回線が4,000円台で持てるのは普通にありです。
それにしても「メリハリ無制限」が出てきて、ますます段階制小容量プランである「ミニフィットプラン」の割高感が際立ちます。こちらは
通信量 | 価格 |
---|---|
~1GB | 3,980円 |
~2GB | 5,980円 |
~5GB | 7,480円 |
という強烈な設定になっています。他社の類似プランに比べても強烈に高いです。今回こちらのプラン改定は行われませんでした。「ミニフィットプラン」は、2GBを超えて使うと定価で「メリハリ無制限」より高くなります。さらに、家族割の回線数のカウント対象には入るものの割引対象にはならないので、家族割を組める場合は1GBを超えて使った時点で安くなくなります。某省が「小容量で安いプランを作れ!」と怒ったために仕方なく作ったプランなのはわかりますが、ここまで嫌々やってる感が伝わってくるのもなかなかです。どこか頃合いを見計らって「ミニフィットプラン」については幕引きを図りたいというのが、SoftBankの本音だと思います。「ワイモバイルで3GBプラン用意してるから許して!」というところでしょうか。
*1:ドコモは「ギガライト」がこれの条件を満たしていました