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Revolut のアカウントを開設した

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みなさんはRevolutというサービスをご存知でしょうか。Revolutは、イギリス発のチャレンジャーバンクと呼ばれるサービスの一つです。チャレンジャーバンクとは、既存の銀行とは別に新たに銀行業免許を取得して銀行サービスを展開する、新興勢力の銀行のことです。日本でいうとネット銀行に近い存在かもしれません。チャレンジャーバンクは、実世界での支店を持たず、スマートフォンアプリを通して送金や入出金、決済の機能を提供しているのが特徴で、既存銀行より便利で快適なサービスを提供することで、銀行サービスのリプレイスを狙っています。

Revolutは、2020年8月現在でイギリスを中心に900万口座を有し、欧州では最大級のチャレンジャーバンクです *1。2020年夏に入って、日本在住者もRevolutのアカウントを比較的かんたんに開設できるようになったようなので、開設してみることにしました。ちなみに日本では銀行業免許は取得しておらず、それよりも登録のハードルが低く、できることはそれほど大きく変わらない資金移動業者としての登録をしているようです。

アカウント開設

2020年9月4日現在では、Revolutのアカウントを開設したいと思ってもすぐに開設することはできません。開設の待ち行列ができているので、これに並ぶ必要があります。しかし9月に入ったぐらいからこの行列の進みが速くなっているので、じきに行列は解消されるのではと思います。ちなみに、私が6月頃に申し込んだときは5719番目の待ちでした。

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待ちが終わると通知が来るので、アプリからアカウントの開設作業を進めます。最初に入金するかどうかを聞かれ、その後に本人確認ステップという流れになっており、ふつう逆じゃないかと思いました……。

本人確認にはマイナンバーが書かれた書類が必要です。Revolutは海外ユーザーからの送金も受けられるので、日本の法律上マイナンバーの提出が義務付けられているようです。私はマイナンバーカードを使いました。マイナンバーカードの表裏と自撮り写真を送ります。いわゆるeKYCというやつですが、カードの厚みとかは見ていなさそうで、正直雑なeKYCだと思います。

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本人確認書類提出後は入金するかどうか再び確認されます。どれだけ入金してほしいんだ!その後カードを作成するかを聞かれます。カードは物理的なものと、アプリ上で情報を確認できるバーチャルなものの2種類が用意されています。両方を発行することも可能です *2

入金

アカウント開設作業が終わると、アプリのトップ画面に移動します。早速ここから入金をしてみました。入金にはVISAかMasterCardブランドのカードが使えます。欧州圏では銀行口座からの入金もできるようですが、日本では今のところ非対応です。注意として、日本のクレジットカードを使って入金した場合は、残高を決済に使うことができるものの、送金や出金はできません。デビットカードで入金すればすべての機能を使える残高になります。これは日本で資金移動業者として登録するための制限だと思います。入金は最低2000円からとなっています。自動入金機能も本来はあるようですが、現状は使えないようになっていました。

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出金

今のところ、日本のATMからの出金には対応していませんデビットカードから入金した残高であれば、海外ATMからの出金が可能です。

外貨の扱い

Revolutはイギリス生まれのサービスなので、日本円以外にもポンドやユーロ、米ドルなど多数の通貨を取り扱うことができます。通貨間の両替もアプリ上でできるようになっており、一部の通貨を除いてインターバンクレートという有利なレートで両替できるようになっています。

決済

Revolutは、入金された残高をカードを使って決済に使うことができます。アカウント開設時にカードの作成を忘れていても、後からカードの作成が可能です。物理カードを早速申し込んでみました。申込みは簡単で、カードのデザインを選び、暗証番号を決めて、発送先住所を指定するだけです。申込みが終わると、もちろんカード自体はまだ手元にないのですが、カードの番号などは発行されていて有効な状態になっています。

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もしAndroidをもっていれば、この物理カード情報をGoogle Payに登録してEMVコンタクトレス決済が利用できます。アカウント開設作業完了後、後ろで進んでいる本人確認プロセスが完了すれば、物理カードがまだ届いていなくてもGoogle Payを使って決済ができるようになります。試しにマクドナルドとローソンで使ってみましたが、なんの問題もなく使えました。

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Revolutは、外貨建決済をする際の為替手数料も無料になっているので、外貨建て決済をよく行うという人には便利かもしれません。

アプリ上からのカードのロック、機能制限、上限設定など、今どきの決済サービスらしい機能は一通り持っています。

送金

機会がないのでまだ使っていませんが、他のRevolutユーザーに送金する機能もあります。送金は1円から可能で、手数料はかからないようです。Revolutの売りは、この送金が世界中のユーザーに対して可能であり、気軽に海外送金ができることのようです。日本円で入金して、ユーロに両替し、ヨーロッパの友だちに送るということが簡単にできます。

家計簿

Revolutのその他の大きな機能としては、家計簿機能があります。Revolutのカードを使うとリアルタイムでアカウントの支払履歴に記録されていきます。そこにメモを足したりレシートの写真を添付したりできます。支出を大まかに項目分けする機能がついていて、支出を項目別や店別などで集計できるようになっています。1ヶ月単位でそれぞれの項目と出費全体に対して予算を設定できるようになっており、予算のうちどれだけを今月使っているのかがわかるようになっています。

貯金箱

貯金箱のような機能も用意されています。名前はVault (金庫) というそのままのもの。名前と目標額をセットするだけで簡単に作れます。貯金は

  • 手動で入金
  • 定期的に自動入金
  • カード決済の端数の入金

ができるようになっています。日本でもお釣り貯金サービスがあったりしますが、それを銀行が直に提供しているイメージですね。

日本で使えるか

日本でこのサービスが本格的に広がっていくかはまだ未知数なのが正直なところです。まず、決済に応じた還元がないのが痛いです。日本では、多少なりとも還元が得られる決済サービスが主流です。Revolutは還元に勝るメリットがあることを示す必要があります。現金の出金が出来れば銀行の代替としても使えなくないでしょうが、現状では日本のATMからの出金が不可能なので、プリペイドカードのように使うしかありません *3電子マネーチャージでポイント還元されないカードからRevolutを経由して電子マネーチャージすることでポイント還元を得る、などといった妙な使い方で活用する人は出てくるかもしれません。

一方で、海外旅行時の決済ツールとして使うのはありかもしれません。既存のクレジットカードでの決済やキャッシングを使うより、Revolutで決済したりATMから出金したりしたほうが有利に取引できそうです。海外サイトの通販に使うのもありかもしれません。Revolutでは使い捨てのバーチャルカードも発行できるので、これを使えばカード情報が漏れても大丈夫です。

後日、Revolutの物理カードが到着したらレビューしたいと思います。

*1:イギリスはさすが金融の国だけあって銀行業免許が取りやすいらしく、Revolut以外にもイギリス発のチャレンジャーバンクはたくさんあるようです

*2:本国イギリスでは紛れもない銀行なのでデビットカードと言えるものですが、日本では銀行として営業していないのでプリペイドカードに近いと思います

*3:カード自体はVISAが使えるお店ならほぼ使えるので、決済ツールとしての能力が劣っているというものではありません