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いわゆる「機種変更応援プログラム」ってどうなの

iPhone 6sの発売に合わせるような形で、3大キャリアから「2年を待たない機種変更を支援する」という名目のプログラムが出揃った。パッと見では、3つとも同じ内容のプログラムに見えるが、よく見てみると微妙に内容が異なっている。この記事ではこれらを比較してみたいと思う。

細かい説明を抜きにして、結論を読みたい方はこちらをどうぞ。

docomo「機種変更応援プログラム」

概要

毎月300円を払うことで、19ヶ月目から25ヶ月目の機種変更の際に機種変更に使えるポイントが貰える。

申し込み条件

  • 対象となる機種を購入する
  • Xiを契約する

対象機種は現状iPhone 6sとiPhone 6s Plusのみ。 また分割契約は条件に含まれていないので、一括で購入しても申し込みができるのではと思われる。

料金

300円

利用条件

次の条件を満たした時に、機種変更に利用可能なポイントが貰える。

  • 18ヶ月以上プログラムを継続し、19ヶ月目以降25ヶ月目以内に新たな対象機種に機種変更をする
  • 機種変更時に古い機種をドコモに引き渡す
  • 機種変更後もプログラムを継続する

また以下の条件を満たした時は、それまでに支払ったプログラム料金がポイントの形で返ってくる。

  • 18ヶ月目以内に機種変更し、プログラムを継続した
  • 26ヶ月目以降に機種変更し、プログラムを継続した
  • 19ヶ月目から25ヶ月目に機種変更したが、プログラムを利用しなかった
  • 対象外の機種に機種変更した

ポイント額

iPhone 6s/6s Plusの64GBおよび128GBでは以下のとおり。

19ヶ月目 20ヶ月目 21ヶ月目 22ヶ月目 23ヶ月目 24ヶ月目 25ヶ月目
27,000 23,000 19,000 15,000 11,000 9,000 9,000

iPhone 6s/6s Plusの16GBでは以下のとおり。

19ヶ月目 20ヶ月目 21ヶ月目 22ヶ月目 23ヶ月目 24ヶ月目 25ヶ月目
21,000 18,000 15,000 12,000 9,000 9,000 9,000

ただし2016年3月31日までにプログラムに申しこめば、2,000円を払うことで、13ヶ月目から18ヶ月目でも還元を得ることが出来る。 この2,000円は、2015年12月31日までにiPhone 6s/6s Plusを購入した場合は無料。 その場合の還元額は、iPhone 6s/6s Plusの64GBおよび128GBでは以下のとおり。

13ヶ月目 14ヶ月目 15ヶ月目 16ヶ月目 17ヶ月目 18ヶ月目
27,000 23,000 19,000 15,000 11,000 9,000

iPhone 6s/6s Plusの16GBでは以下のとおり。

13ヶ月目 14ヶ月目 15ヶ月目 16ヶ月目 17ヶ月目 18ヶ月目
21,000 18,000 15,000 12,000 9,000 9,000

iPhone 6s 16GBを分割で購入して、12ヶ月目にプログラムを利用して機種変更した

iPhone 6s 16GBは93,312円である。 プログラムの対象外だが、次の機種でもプログラムに申しこめばそれまでに払った3,300円は返ってくる。 差し引きiPhone 6sには93,312円を払ったことになる。

iPhone 6s 16GBを分割で購入して、13ヶ月目にプログラムを利用して機種変更した

iPhone 6s 16GBは93,312円である。 プログラムを利用することで、21,000円分のポイントがもらえる。 それまでに支払ったプログラムの利用料金は、3,600円だから、差し引きiPhone 6sには75,912円を払ったことになる。

iPhone 6s 16GBを分割で購入して、18ヶ月目にプログラムを利用して機種変更した

iPhone 6s 16GBは93,312円である。 プログラムを利用することで、9,000円分のポイントがもらえる。 それまでに支払ったプログラムの利用料金は、5,100円だから、差し引きiPhone 6sには89,412円を払ったことになる。

iPhone 6s 16GBを分割で購入して、19ヶ月目にプログラムを利用して機種変更した

iPhone 6s 16GBは93,312円である。 プログラムを利用することで、21,000円分のポイントがもらえる。 それまでに支払ったプログラムの利用料金は、5,400円だから、差し引きiPhone 6sには77,712円を払ったことになる。

iPhone 6s 16GBを分割で購入して、25ヶ月目にプログラムを利用して機種変更した

iPhone 6s 16GBは93,312円である。 プログラムを利用することで、9,000円分のポイントがもらえる。 それまでに支払ったプログラムの利用料金は、7,200円だから、差し引きiPhone 6sには91,512円を払ったことになる。

iPhone 6s 16GBを分割で購入して、26ヶ月目にプログラムを利用して機種変更した

iPhone 6s 16GBは93,312円である。 プログラムの対象外だが、次の機種でもプログラムに申しこめばそれまでに払った7,500円は返ってくる。 差し引きiPhone 6sには93,312円を払ったことになる。

au「アップグレードプログラム」

概要

毎月300円を払うことで、19ヶ月目から25ヶ月目の機種変更の際に残りの分割支払金を実質無料にできる。

申し込み条件

  • 対象となる機種を分割で購入する
  • データ定額かLTEフラットに加入する

料金

300円

利用条件

次の条件を満たした時に、特典を受けられる。

  • 18ヶ月以上プログラムを継続し、19ヶ月目以降25ヶ月目以内に新たな対象機種に機種変更をする
  • 機種変更時に古い機種をauに引き渡す
  • 機種変更後もプログラムを継続する

また以下の条件を満たした時は、それまでに支払ったプログラム料金がau WALLETへのチャージとして返ってくる。

  • 26ヶ月目以降に機種変更し、プログラムを継続した
  • 19ヶ月目から25ヶ月目に機種変更したが、プログラムを利用しなかった

還元方法

19ヶ月目に機種変更した場合は、以下のように還元される。

  • 19ヶ月目から25ヶ月目に支払う予定の分割支払金と同額を毎月の利用料金から割引(実質無料)

20ヶ月目から25ヶ月目に機種変更した場合は以下のように還元される。

  • 機種変更した月から25ヶ月目に支払う予定の分割支払金と同額を毎月の利用料金から割引(実質無料)
  • 19ヶ月目から機種変更の月の前月までに支払ったプログラム利用料をau WALLETに還元

ただし2016年3月31日までにプログラムに申しこめば、2,000円を払うことで、13ヶ月目から18ヶ月目でも還元を得ることが出来る。 この2,000円は、2015年12月31日までにiPhone 6s/6s Plusを購入した場合は無料。 還元方法は19ヶ月目に機種変更した時と同じで、19ヶ月目から割引が始まる。

iPhone 6s 16GBを分割で購入して、12ヶ月目にプログラムを利用して機種変更した

iPhone 6s 16GBは84,240円である。 プログラムの対象外であり、それまでに支払ったプログラム利用料金3,300円は返ってこない。 差し引きiPhone 6sには87,540円を払ったことになる。

iPhone 6s 16GBを分割で購入して、13ヶ月目にプログラムを利用して機種変更した

iPhone 6s 16GBは84,240円である。 プログラムを利用することで、24,570円分の割引が19ヶ月目から25ヶ月目にかけて得られる。 それまでに支払ったプログラムの利用料金は、3,600円だから、差し引きiPhone 6sには63,270円を払ったことになる。

iPhone 6s 16GBを分割で購入して、18ヶ月目にプログラムを利用して機種変更した

iPhone 6s 16GBは84,240円である。 プログラムを利用することで、24,570円分の割引が19ヶ月目から25ヶ月目にかけて得られる。 それまでに支払ったプログラムの利用料金は、5,100円だから、差し引きiPhone 6sには64,770円を払ったことになる。

iPhone 6s 16GBを分割で購入して、19ヶ月目にプログラムを利用して機種変更した

iPhone 6s 16GBは84,240円である。 プログラムを利用することで、24,570円分の割引が19ヶ月目から25ヶ月目にかけて得られる。 それまでに支払ったプログラムの利用料金は、5,400円だから、差し引きiPhone 6sには65,070円を払ったことになる。

iPhone 6s 16GBを分割で購入して、25ヶ月目にプログラムを利用して機種変更した

iPhone 6s 16GBは84,240円である。 プログラムを利用することで、3,510円分の割引が得られる。 それまでに支払ったプログラムの利用料金は、7,200円である。 19ヶ月目から24ヶ月目までに支払ったプログラムの利用料金1,800円は返ってくる。 よって、iPhone 6sには86,130円を払ったことになる。

iPhone 6s 16GBを分割で購入して、26ヶ月目にプログラムを利用して機種変更した

iPhone 6s 16GBは84,240円である。 プログラムの対象外だが、次の機種でもプログラムに申しこめばそれまでに払った7,500円は返ってくる。 差し引きiPhone 6sには84,240円を払ったことになる。

Softbank「機種変更先取りプログラム」

概要

毎月300円を払うことで、19ヶ月目から25ヶ月目の機種変更の際に残りの分割支払金を実質無料にできる。

申し込み条件

  • 対象となる機種を分割で購入する
  • データ定額パック・小容量/標準/大容量(10/15/20/30)またはパケットし放題フラット for 4G LTE/4Gに加入する
  • 家族データシェア子回線は対象外

料金

300円

利用条件

次の条件を満たした時に、特典を受けられる。

  • 18ヶ月以上プログラムを継続し、19ヶ月目以降25ヶ月目以内に新たな対象機種に機種変更をする
  • 機種変更時に古い機種をSoftbankに引き渡す
  • 機種変更後もプログラムを継続する

また以下の条件を満たした時は、それまでに支払ったプログラム料金が通信料の割引で返金される。

  • 26ヶ月目以降に機種変更し、プログラムを継続した
  • 19ヶ月目から25ヶ月目に機種変更したが、プログラムを利用しなかった
  • 19ヶ月目以降に対象機種以外に機種変更した

還元方法

19ヶ月目に機種変更した場合は、以下のように還元される。

  • 19ヶ月目から25ヶ月目に支払う予定の分割支払金と同額を毎月の利用料金から割引(実質無料)

20ヶ月目から25ヶ月目に機種変更した場合は以下のように還元される。

  • 機種変更した月から25ヶ月目に支払う予定の分割支払金と同額を毎月の利用料金から割引(実質無料)
  • 19ヶ月目から機種変更の月の前月までに支払ったプログラム利用料を通信料の割引で還元

ただし2016年3月31日までにプログラムに申しこめば、2,000円を払うことで、13ヶ月目から18ヶ月目でも還元を得ることが出来る。 この2,000円は、2015年12月31日までにiPhone 6s/6s Plusを購入した場合は無料。 還元方法は19ヶ月目に機種変更した時と同じで、19ヶ月目から割引が始まる。

iPhone 6s 16GBを分割で購入して、12ヶ月目にプログラムを利用して機種変更した

iPhone 6s 16GBは93,600円である。 プログラムの対象外であり、それまでに支払ったプログラム利用料金3,300円は返ってこない。 差し引きiPhone 6sには96,900円を払ったことになる。

iPhone 6s 16GBを分割で購入して、13ヶ月目にプログラムを利用して機種変更した

iPhone 6s 16GBは93,600円である。 プログラムを利用することで、27,300円分の割引が19ヶ月目から25ヶ月目にかけて得られる。 それまでに支払ったプログラムの利用料金は、3,600円だから、差し引きiPhone 6sには69,900円を払ったことになる。

iPhone 6s 16GBを分割で購入して、18ヶ月目にプログラムを利用して機種変更した

iPhone 6s 16GBは93,600円である。 プログラムを利用することで、27,300円分の割引が19ヶ月目から25ヶ月目にかけて得られる。 それまでに支払ったプログラムの利用料金は、5,100円だから、差し引きiPhone 6sには71,400円を払ったことになる。

iPhone 6s 16GBを分割で購入して、19ヶ月目にプログラムを利用して機種変更した

iPhone 6s 16GBは93,600円である。 プログラムを利用することで、27,300円分の割引が19ヶ月目から25ヶ月目にかけて得られる。 それまでに支払ったプログラムの利用料金は、5,400円だから、差し引きiPhone 6sには71,700円を払ったことになる。

iPhone 6s 16GBを分割で購入して、25ヶ月目にプログラムを利用して機種変更した

iPhone 6s 16GBは93,600円である。 プログラムを利用することで、3,900円分の割引が得られる。 それまでに支払ったプログラムの利用料金は、7,200円である。 19ヶ月目から24ヶ月目までに支払ったプログラムの利用料金1,800円は返ってくる。 よって、iPhone 6sには95,100円を払ったことになる。

iPhone 6s 16GBを分割で購入して、26ヶ月目にプログラムを利用して機種変更した

iPhone 6s 16GBは93,600円である。 プログラムの対象外だが、次の機種でもプログラムに申しこめばそれまでに払った7,500円は返ってくる。 差し引きiPhone 6sには93,600円を払ったことになる。

結局どうなの

3大キャリアのプログラムを比較すると、docomoはポイントでの還元なのに対して、auSoftbankが実際の分割額の最大7ヶ月分を割引くという形になっていることに気づく。この違いがどこに影響するかというと、ポイントを使って端末を購入した場合だ。長く同じキャリアを使っていると、そのキャリアのポイントが溜まってくるだろう。例えば10,000ポイント使って端末を1万円引きで買うことを考える。当然この1万円引きの値段で分割を組むことになる。docomoは分割の金額に関係なく同じ額のポイント還元が得られるのに対して、auSoftbankではあくまで分割支払金の免除という形を取るので、少しだけ免除してもらえる額が減ってしまう。

また、プログラム料金が返金される条件にも微妙な差があるようだ。docomoでは、対象期間より早い時期に機種変更をしてしまってもそれまでに支払ったプログラム料金は返してもらえる。一方auSoftbankでは、早い時期の機種変更での返金は受け付けていない。また、auでは対象外機種に機種変更した場合についてWebページのどこにも記述されていなかった。docomoでは対象外機種への機種変更を返金の条件と定めているし、Softbankでも19ヶ月目以降の対象外機種への機種変更は返金の条件になっている。

こうしてみると、docomoのプログラムが最も優秀であるように見えるが、各キャリアで機種変更を行った時期によって得られる還元額が異なることに注意する必要がある。

例えばiPhone 6s 16GBを購入し、12ヶ月目に機種変更すると次のような還元額となる。 各キャリアとも12ヶ月目の機種変更は還元の対象ではない。 docomoでは12ヶ月目の機種変更でプログラム料金が返金されるが、auSoftbankでは返金されない。

キャリア 還元額
docomo 0
au -3,300
Softbank -3,300

13ヶ月目に機種変更すると次のような還元額となる。 13ヶ月目以降の機種変更であれば、auSoftbankは還元対象となり、7ヶ月分の分割金が還元される。 docomoも還元の対象となり、21,000円分のポイントが貰える。 各キャリアともそれまで12ヶ月間払ってきたプログラム料金3,600円は返ってこない。

キャリア 還元額
docomo 17,400
au 20,970
Softbank 23,700

18ヶ月目に機種変更すると次のような還元額となる。 各キャリアともそれまで17ヶ月間払ってきたプログラム料金5,100円は特典を利用する限り返ってこない。

キャリア 還元額
docomo 3,900
au 19,470
Softbank 22,200

また19ヶ月目に機種変更すると次のような還元額となる。 18ヶ月目まで減る一方だったdocomoの還元額が再び増える。 各キャリアともそれまで18ヶ月間払ってきたプログラム料金5,400円は特典を利用する限り返ってこない。

キャリア 還元額
docomo 15,600
au 19,170
Softbank 21,900

また25ヶ月目の機種変更では以下のとおりである。 docomoではそれまで18ヶ月間払ってきたプログラム料金7,200円は特典を利用する限り返ってこない。 auSoftbankでは、19ヶ月目以降に支払ったプログラム料金の返金を受けることが出来る。

キャリア 還元額
docomo 1,800
au -1,890
Softbank -1,500

ただし、auSoftbankでは特典を利用しない代わりにプログラム料金の返金を受けることができ、そのほうが得なので そうした場合は以下のようになる。

キャリア 還元額
docomo 1,800
au 0
Softbank 0

このような表を作ることで以下のことがわかる。

  • 12ヶ月以内に機種変更をするのであれば、auSoftbankのプログラムは損
  • 各キャリアとも13ヶ月目での機種変更が最もお得になる
    • 1年後に出るであろう新型端末を購入しやすい
    • 還元額はdocomoがややしょっぱい
  • 13ヶ月目から18ヶ月目まで、auSoftbankでは還元額はそれほど変化しないが、docomoでは大きく変化する
    • docomoのプログラムで18ヶ月目に機種変更するのは不利
    • 19ヶ月目にdocomoの還元額が再びアップする
  • 25ヶ月目ではauSoftbankのプログラムでは得もしないが損もしない
    • docomoのプログラムでは僅かに得をする

各キャリアの紹介ページを見ていると、19ヶ月目に機種変更するのがお得なように見えるが、 実際には各キャリアが追加で行っているキャンペーンの影響で、13ヶ月目に機種変更するのが最もお得だということになる。 ただし、docomoの還元額は、他の2社に比べてやや少なめである。 よくよく考えれば、お得だからという理由でわざわざ19ヶ月ごとに機種変更する人なんてそうそういそうにもない。 このプログラムは明らかに1年毎にiPhoneを買い換えさせることが目的だろうと思う。 毎年新しいiPhoneが欲しくて、同じキャリアでずっと買い続けるというのならば、このプログラムを利用する価値はあるだろう。

一方で、2年毎の買い替えをこのプログラムで行うと、あんまり美味しい思いは出来ない。 docomoなら微々たる還元が得られるが、auSoftbankではプログラムに申し込まなかった時と全く同じである。

またMNPをするとそれまでに払ったプログラム料金は無駄になるので、2年毎に乗り換えるスタイルの人にも不向きだろう。

主観であるが、iPhone 6s 16GBで最大でも2万円を超える程度の還元しか得られないこのプログラムに価値が有るかは微妙だと思う。この還元は、それまで真面目に毎月300円払い続け、さらに古い端末をキャリアに差し出さないと得られない還元だと考えると、ちょっと少なすぎるのではとすら思う。購入から半年経てばSIMロック解除可能なので、SIMロックを解除したうえで売りに出したほうが高い値段がつくのではないか、と感じる。また、各社は現在下取りキャンペーンを展開している。各社とも下取りの価格はそれなりに高く、プログラムを利用するよりもリターンが大きい印象を受ける。しかしながら、各キャリアが来年以降下取りを今年と同じように行うかは不透明であることに注意する必要がある。