楽天モバイルが新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VI」を発表
大手キャリアによる料金プラン大改訂が続く中、新興勢力の楽天モバイルがどのような動きを見せるかが注目されていましたが、「Rakuten UN-LIMIT VI」を4月1日から開始することを発表しました。
「Rakuten UN-LIMIT VI」は基本的に従来プランと似たプランなのですが、従来プランが容量無制限で3,278円という定額プランだったのに対して、段階制プランに変更されたのが大きな点です。
価格 | |
---|---|
~∞ | 3,278円 |
~20GB | 2,178円 |
~3GB | 1,078円 |
~1GB | 0円 |
なんと言っても強烈なのは、1GBまでは0円という設定でしょう。一人あたり1回線までに制限されていますが、一定のデータ容量までなら0円というのはインパクトがあります。3GBまでの価格設定はMVNOを、20GBまでの価格設定はドコモ・au・SoftBankが投入したオンライン専用プランを意識したものでしょう。20GB超過後3,278円という設定は従来のプランと同等であり、小容量帯での値下げが行われた格好になります。
楽天の電波が入らないエリアではauの電波を掴むという仕組みはこれまでと変わらず。auで通信する場合のデータ容量は5GBに制限されているというのもこれまでと変わりません。料金を決定する際のデータ通信量は楽天とau両方のものが合算されます。注意点として、楽天モバイルではデータ高速モードというものが用意されていて、これをオフにするとau回線エリアで通信速度が1Mbpsに制限される代わりにauで通信する場合のデータ容量を消費しなくなるのですが、「Rakuten UN-LIMIT VI」のデータ通信量の計算には影響しません。つまり、データ高速モードをオフにしていても、1GB以上使えば1,078円課金されます。
既存のユーザーに対しては4月1日から自動的にこのプランが適用されることになります。
懸念点も残るが
「Rakuten UN-LIMIT VI」は、いわゆる無制限プランの中では最安ですし、Rakuten Linkを使えば通話が無料という点を従来プランから引き継いでいます。事務手数料の類がすべて0円なのも大変うれしいポイントです。
楽天モバイルが目指していたシンプルなプランという方針からは転換することになりました。三木谷氏も発表会で発言していましたが、シンプルなプランではすべての人にとって最適なプランにはできなかったという結果だと思います。少ししか使わない人とたくさん使う人が同時に幸せになるには、やはりプランは多少複雑にならざるを得ないのでしょう。とはいえ、かなり注意書きの多いプランになっているので、某総務大臣が怒り出さないかが気になっています。
楽天モバイルには頑張ってほしいと思っていますが、サービスとしての懸念点が残っているのも事実です。まず、楽天回線が使えるエリアが広がっていないという点があります。発表会では現在の人口カバー率が73.5%であること、また今夏には96%にまで広がることが明かされました。しかし、他の3社がすでに99%を上回る人口カバー率を達成している以上、まだ見劣りする数値と言わざるを得ません。人口カバー率においてカバーされていることになっている地域でも、屋内や地下鉄などでは入らないことも多く、体感のカバー率は高いと言えません。2023年に人工衛星を使ったスペースモバイルというものを計画しているようですが、これもどの程度使えるものなのかは不明です。5Gのエリアも全く広がっている様子がなく、やはり心配です。
また、他社のオンライン専用プランを引き合いに出し、楽天モバイルのプランは店舗でもサポートできるのが強みだと打ち出していましたが、楽天モバイルの店舗は他社に比べて数が少ないので、これを以てサポートの充実を訴えるのは厳しいのではと思います。サポートのために店舗を増やすとコストが明らかに増大するので、そこは難しいバランスとなりそうです。
楽天の他サービスとのシナジーも今ひとつ感じられません。楽天モバイルを契約すると楽天市場利用時のポイント加算率が+1倍になりますが、これだと訴求としては弱いように思います。楽天プレミアム契約すれば+2倍ですからね。
他サービスとの競合関係に目を転じると、今回の楽天のプランで大手キャリアのサブブランドが苦しくなりそうです。UQ mobileは2月から3GBで1,628円の「くりこしプランS」を開始しますが、楽天モバイルは3GBで1,078円。しかも1GB未満に収まれば0円です。楽天モバイルは楽天回線が入らなくてもau回線が使えるので、回線品質の面で見ても大きく見劣りはしません。3GBならau回線のデータ容量の上限である5GBより少ないので、すべてau回線経由で使っても問題ありませんので、まだ楽天回線が来ていないエリアの人でも使えます。同様に小容量帯のMVNOも厳しくなりそうです。
各社料金プランの大改訂は発表されているだけで、実際に開始されているわけではありません。もう少し波があるのではないかという気もするので、引き続き注意深く見ていきたいと思います。
大手キャリアの小容量プランの存在意義
(2021/2/18 追記) 「LINEMO」「ミニフィットプラン+」が発表されたので編集。
大手キャリアの料金プランの大改訂が続いています。そんな中で取り残されたような形になったのが、各キャリアが用意している小容量のプランです。細かい設定は各社違いますが、おおよそ7GB程度まで使えて使ったデータ容量に応じて料金が変化する段階制のプランになっているものです。これらの料金プランのこれからの存在意義とはなんでしょうか。具体的に以下で計算しながら考えていきたいと思います。
この記事では料金は税込で表記することにします。
docomo
ドコモは「ギガライト」および「5Gギガライト」という小容量プランを用意しています。それぞれの料金は以下のとおりです。
ギガライト (定期契約) | 5Gギガライト *1 | |
---|---|---|
~7GB | 6,578円 | 6,765円 |
~5GB | 5,478円 | 5,665円 |
~3GB | 4,378円 | 4,565円 |
~1GB | 3,278円 | 3,465円 |
これに対して、ドコモは4月1日から新しい大容量プランの「ギガホ プレミア」および「5Gギガホ プレミア」を導入します。それぞれの料金は以下のとおりです。基本的には定額ですが、3GB以下のときは1,650円引きです。
ギガホ プレミア (定期契約) | 5Gギガホ プレミア *2 | |
---|---|---|
~∞ | - | 7,315円 |
~60GB | 7,018円 | - |
~3GB | 5,368円 | 5,665円 |
また、オンライン専用の料金プランとして「ahamo」も導入されます。こちらは20GBで3,278円です。
これらの料金プランをすべて合わせると以下のとおりです。
ギガライト (定期契約) |
5Gギガライト | ahamo | ギガホ プレミア (定期契約) |
5Gギガホ プレミア |
|
---|---|---|---|---|---|
~∞ | - | - | - | - | 7,315円 |
~60GB | - | - | - | 7,018円 | 7,315円 |
~20GB | - | - | 3,278円 | 7,018円 | 7,315円 |
~7GB | 6,578円 | 6,765円 | 3,278円 | 7,018円 | 7,315円 |
~5GB | 5,478円 | 5,665円 | 3,278円 | 7,018円 | 7,315円 |
~3GB | 4,378円 | 4,565円 | 3,278円 | 5,368円 | 5,665円 |
~1GB | 3,278円 | 3,465円 | 3,278円 | 5,368円 | 5,665円 |
まず「ahamo」を除外して考えると、ドコモのプランは「ギガライト」や「5Gギガライト」が設定されている7GBまでの範囲だと「ギガライト」や「5Gギガライト」のほうが安くなるような値付けになっています。しかしここに「ahamo」を加えると、20GB以下の範囲では「ahamo」が最安で、それを超える範囲では「ギガホ プレミア」か「5Gギガホ プレミア」しかなくなり、「ギガライト」や「5Gギガライト」の出る幕はなくなってしまいます。
状況をややこしくするのが、「ahamo」以外は家族割や固定回線とのセット割が使えるという事実です。それぞれの割引を最大限に適用した場合の料金を考えると以下のとおりです。具体的な条件は、家族にドコモ回線が3回線以上かつドコモ光を契約しているケースです。
ギガライト (定期契約) |
5Gギガライト | ahamo | ギガホ プレミア (定期契約) |
5Gギガホ プレミア |
|
---|---|---|---|---|---|
~∞ | - | - | - | - | 5,115円 |
~60GB | - | - | - | 4,818円 | 5,115円 |
~20GB | - | - | 3,278円 | 4,818円 | 5,115円 |
~7GB | 4,378円 | 4,565円 | 3,278円 | 4,818円 | 5,115円 |
~5GB | 3,278円 | 3,465円 | 3,278円 | 4,818円 | 5,115円 |
~3GB | 2,728円 | 2,915円 | 3,278円 | 3,168円 | 3,465円 |
~1GB | 2,178円 | 2,365円 | 3,278円 | 3,168円 | 3,465円 |
こうすると、3GB以下までは「ギガライト」および「5Gギガライト」が最安で、3GBを超えて20GB以下だと「ahamo」が良く、20GBを超えるなら「ギガホ プレミア」「5Gギガホ プレミア」が良いということになり、「ギガライト」や「5Gギガライト」に存在意義が出てくるようです。
au
auは「ピタットプラン 4G LTE」および「ピタットプラン 5G」という小容量プランを用意しています。どちらのプランも同じ料金設定です。
ピタットプラン 4G LTE/5G (定期契約) | |
---|---|
~7GB | 6,578円 |
~4GB | 4,928円 |
~1GB | 3,278円 |
これに対して、auは3月から新しい大容量プランの「使い放題MAX 4G/5G」を導入します。料金は以下のとおりです。基本的には定額ですが、3GB以下のときは1,650円引きです。
使い放題MAX 4G/5G (定期契約) | |
---|---|
~∞ | 7,238円 |
~3GB | 5,588円 |
また、オンライン専用の料金プランとして「povo」も導入されます。こちらは20GBで2,728円です。
これらの料金プランをすべて合わせると以下のとおりです。
ピタットプラン (定期契約) |
povo | 使い放題MAX (定期契約) |
|
---|---|---|---|
~∞ | - | - | 7,238円 |
~20GB | - | 2,728円 | 7,238円 |
~7GB | 6,578円 | 2,728円 | 7,238円 |
~4GB | 4,928円 | 2,728円 | 7,238円 |
~3GB | 4,928円 | 2,728円 | 5,588円 |
~1GB | 3,278円 | 2,728円 | 5,588円 |
まず「povo」を除外して考えると、auのプランは「ピタットプラン」が設定されている7GBまでの範囲だと「ピタットプラン」のほうが安くなるような値付けになっています。しかしここに「povo」を加えると、20GB以下の範囲では「povo」が最安で、それを超える範囲では「使い放題MAX」しかなくなり、「ピタットプラン」の出る幕はなくなってしまいます。ここはドコモと同じです。
「povo」以外は家族割や固定回線とのセット割が使えます。それぞれの割引を最大限に適用した場合の料金を考えると以下のとおりです。具体的な条件は、家族にau回線が3回線以上かつau指定の固定回線を契約している場合です。
ピタットプラン (定期契約) |
povo | 使い放題MAX (定期契約) |
|
---|---|---|---|
~∞ | - | - | 5,038円 |
~20GB | - | 2,728円 | 5,038円 |
~7GB | 4,928円 | 2,728円 | 5,038円 |
~4GB | 3,278円 | 2,728円 | 5,038円 |
~3GB | 3,278円 | 2,728円 | 3,388円 |
~1GB | 2,178円 | 2,728円 | 3,388円 |
こうすると、1GB以下までは「ピタットプラン」が最安で、1GBを超えて20GB以下だと「povo」が良く、20GBを超えるなら「使い放題MAX」が良いということになり、「ピタットプラン」に存在意義が出てきます。
SoftBank
SoftBankは「ミニフィットプラン+」という小容量プランを導入予定です。料金設定は以下のとおりです。
ミニフィットプラン+ | |
---|---|
~3GB | 5,478円 |
~2GB | 4,378円 |
~1GB | 3,278円 |
これに対して、同日に「メリハリ無制限」も導入されます。料金は以下のとおりです。基本的には定額ですが、3GB以下のときは1,650円引きです。
メリハリ無制限 | |
---|---|
~∞ | 7,238円 |
~3GB | 5,588円 |
また、オンライン専用の料金プランとして「LINEMO」も導入されます。こちらは20GBで2,728円です。
これらの料金プランをすべて合わせると以下のとおりです。
ミニフィットプラン+ | LINEMO | メリハリ無制限 | |
---|---|---|---|
~∞ | - | - | 7,238円 |
~20GB | - | 2,728円 | 7,238円 |
~3GB | 5,478円 | 2,728円 | 5,588円 |
~2GB | 4,378円 | 2,728円 | 5,588円 |
~1GB | 3,278円 | 2,728円 | 5,588円 |
まず「LINEMO」を除外して考えると、SoftBankのプランは3GB以下の場合「ミニフィットプラン+」の方が安いという値付けになっています。しかしここに「LINEMO」を加えると、20GB以下の範囲では「LINEMO」が最安で、それを超える範囲では「メリハリ無制限」しかなくなり、「ミニフィットプラン+」の出る幕はなくなってしまいます。
「LINEMO」以外は家族割や固定回線とのセット割が使えます。それぞれの割引を最大限に適用した場合の料金を考えると以下のとおりです。具体的な条件は、家族にSoftBank回線が3回線以上 *3かつSoftBank指定の固定回線を契約している場合です。
ミニフィットプラン+ | LINEMO | メリハリ無制限 | |
---|---|---|---|
~∞ | - | - | 4,928円 |
~20GB | - | 2,728円 | 4,928円 |
~3GB | 4,328円 | 2,728円 | 3,278円 |
~2GB | 3,278円 | 2,728円 | 3,278円 |
~1GB | 2,178円 | 2,728円 | 3,278円 |
こうすると、1GB以下は「ミニフィットプラン+」、1GBを超えて20GBまでなら「LINEMO」、20GBをこえるなら「メリハリ無制限」という形になります。
まとめ
ドコモは
- 20GB以下なら「ahamo」最安
- 「ahamo」が嫌なら、7GB以下は「ギガライト」系
- 割引が最大限適用できるなら3GB以下で「ギガライト」系が最安。3GBを超えて20GB以下なら「ahamo」が最安
auは
- 20GB以下なら「povo」最安
- 「povo」が嫌なら、7GB以下は「ピタットプラン」
- 割引が最大限適用できるなら1GB以下で「ピタットプラン」が最安。1GBを超えて20GB以下なら「povo」が最安
- 20GB以下なら「LINEMO」最安
- 「SoftBank on LINE」が嫌なら、3GB以下は「ミニフィットプラン+」
- 割引が最大限適用できるなら1GB以下で「ミニフィットプラン+」が最安
という形となりました。各社が提供するオンライン専用プランに抵抗がないのであれば、これを選ぶのが最適解となります。とは言え、家族割や固定回線セット割を最大限適用できる場合、小容量プランが最安になるケースもあります。しかしこのケースの広さには各社の差があり、ドコモは3GB以下、auとSoftBankでは1GBという結果でした。これは各社の客層を反映しているのだろうと思います。ドコモは小容量ユーザーが多く、auやSoftBankは比較的に大容量ユーザーが多いということが、総務省の統計でもわかっています。
ところで、このような小容量プランだとMVNOやサブブランドも選択肢に入ってきます。例えば大手MVNOブランドのmineoは、2月より「マイピタ」という新プランを開始しますが、こちらは5GBで1,518円です。大手キャリア各社で最大限の割引を適用してもこの価格にはできませんし、数GB程度のライトユーザーであれば、大手キャリアに比べると劣るとされているMVNOの回線品質でも特に支障がないのではとも考えられます。
また、auのサブブランドであるUQ mobileは、3GBで1,628円の「くりこしプランS」を2月1日から開始します。こちらも大手キャリア各社で最大限の割引を適用した価格より安いですし、UQ mobileの回線品質には定評があるので、回線品質を気にする人でも使いやすいと思います。auのサブブランドなので、auからの乗り換えの場合は手数料もかかりません。
もともと大手キャリアの小容量プランは、総務省から「小容量の価格が高い」という指導を受けて仕方なしに作られたという経緯があります。比較的小容量ユーザーに優しいドコモも、今後はMVNOと提携して小容量低価格プランを提供していくと表明していますし、auやSoftBankは小容量ユーザー向けに傘下のサブブランドであるUQ mobileやワイモバイルを積極的に訴求しています。各社はメインのブランドで儲からないこれらのプランをできるだけ契約してほしくないわけで、今後は小容量についてはMVNOやサブブランドをお使いくださいという流れが進むのではないでしょうか。
KDDIが「povo」を発表、auとUQのプランも刷新
先日KDDIが発表会を実施し、新しい料金プラン「povo」を発表しました。
「povo」の概要をかんたんに説明すると、
- 月間データ容量は20GB
- 20GB超過後も最大1Mbps
- 5G対応
- 通話無料はなし
- eSIM対応
- 契約やサポートはオンライン
- 月額は2,480円(税抜)
となります。
「トッピング」というネーミングの妙
「povo」は、「ahamo」や「SoftBank on LINE」が含んでいた5分間の通話無料をプランに含めない代わりに、他の2つのプランよりも500円安い料金を打ち出すという戦略をとってきました。私自身は他の方法で他社との差別化を図ると思っていたので、料金を下げてきたのは予想外でした。
「povo」では、従来の料金プランでオプションと呼ばれていたものをトッピングと言い換えています。携帯業界におけるオプションという単語に含まれる「勝手に加入させられている」や「加入や退会が面倒」などのネガティブな印象を払拭するためのネーミングだと思います。「povo」では、このトッピングを自由に追加したり削除したりしやすい仕組みを提供するとしていて、またこのトッピングも今後順次拡充されていくとのこと。利用者が自分にあったプランにカスタマイズできるという方針を打ち出しています。若者向けというプランの設計思想にも符合していると思います。
「povo」自体と同時に発表されたトッピングは2つ。1つ目が通話無料です。5分間の通話無料が500円、時間制限のない通話無料が1,500円という設定です。「ahamo」や「SoftBank on LINE」だと5分間通話無料が標準付帯、時間制限のない通話無料が1,000円です。これら2つのプランの料金自体は「povo」より500円高いので、これらの通話無料をつけるのであれば3社いずれのプランを選んでも同じ料金です。
もう一つが24時間データ使い放題です。これは200円を払うことで、申し込んだ瞬間から24時間いくら通信してもデータ容量を使わなくてすむというものです。動画配信サービスで作品シリーズを一気観したいなど、メリハリの効いた使い方をする人にとってはメリットになりそうな面白いトッピングです。月末に20GB使い切ってしまったときに、1日や2日程度これでしのぐという手も考えられます *1。
auの無制限プランが値下げ
今回の発表会では、既存のブランドであるauでもプランの刷新が行われました。ドコモやSoftBankが無制限プランの値下げを発表する中、auの無制限プランは価格が高止まりしている印象がありましたが、ここの引き下げが行われました。
新しく導入されるauのプラン名は「使い放題MAX 5G」と「使い放題MAX 4G」です。価格は6,580円でデータ容量は無制限。データ利用量が3GB以下の月は自動的に1,500円が割り引かれます。なお、テザリングのデータ容量は月間30GBに制限されています。
「povo」では特別な割引は用意されていませんが、「使い放題MAX 5G」と「使い放題MAX 4G」には従来のプランと同様に家族割やauスマートバリュー (固定回線とのセット割) が用意されています。また新たにau PAYカードでの料金支払いをすることで月額100円の割引が用意されました。
UQ はくりこしできるプラン
ワイモバイルと同様に、KDDIがUQ mobileの扱いをどうするのかが気になっていましたが、やはり低価格路線を維持していくようです。
UQが今回導入した「くりこしプランS/M/L」はかなりアグレッシブなプランで、内容としては、「くりこしプランS」が3GBで月額1,480円、「くりこしプランM」が15GBで月額2,480円、「くりこしプランL」が25GBで月額3,480円となっています。プランの名前が示すとおり、余ったデータ容量を翌月にくりこせるのが特徴です。これは他社プランにはない強みになりそうです。
ネットワークについては、今のところは4Gのみの提供ですが、今夏より5Gの提供も開始するとのことです。もともとUQ mobileは4Gのみ提供するという方針でしたが、それを転換する形となりました。
感想
「povo」が通話無料を外す代わりに価格を下げてきたのは予想外。3社の中では後出しということもあってか、一段踏み込んだプランになっていると感じました。オプションを「トッピング」と言い換えたのもうまいですね。今後はKDDIの強みでもあるエンタメサービス連携周りのトッピングが充実してくると面白いのではと思いました。例えば、Netflixの視聴分はデータ容量にカウントされないトッピングがxxx円、なんてものも考えられそうです。
auのプランは順当に他社の水準に合わせてきたというところです。ただテザリングの無制限を公式に謳っているドコモのプランに対しては必ずしも強みを発揮できていないと言えます。auのプランは、もともとエンタメサービスとのバンドルが強みですが、そういったバンドルプランの価格設定は今回見直されておらず、後日の案内となっています。バンドルプランの料金が出揃ってからが本領発揮でしょうか。割引に新たにau PAYカードでの支払いによる割引が追加されましたが、これはドコモの丸パクリですね。ここはもう少しオリジナリティを出せなかったのかなと思うところです。
UQのプランは衝撃的なものでした。ワイモバイルが出してきた「シンプルS/M/L」に対して、安く、データ容量が多く、くりこしもできるので、完全に上位互換です。近いうちにワイモバイルはプランの見直しを迫られるのではないでしょうか。「くりこしプランS」に至っては、MVNOの類似プランよりも安い値付けになっており、しかもUQ mobileの回線品質は格安SIM業者の中でも定評があるものなので、MVNO殺しと言っていいプランでしょう。
昨年のauの発表会はインターネット上で酷評されていましたが、今回の発表は概ね評価されているようです。まだまだ料金プランの大変化は続きそうですので、注視していきたいです。
*1:追加データ容量1GBが500円なので、データ容量を買うよりも多くのケースで割安な気がします
SoftBankが新ブランドコンセプト「SoftBank on LINE」& ワイモバイル新プランを発表
本当は昨年のうちに書こうと思っていたのですが、すっかり出遅れてしまいました。SoftBankが昨年の料金プラン発表会にて「SoftBank on LINE」という新しいブランドのコンセプトおよびワイモバイルの新プランを発表しました。
「SoftBank on LINE」の概要をかんたんに説明すると、
- 月間データ容量は20GB
- 20GB超過後も最大1Mbps
- LINEの利用分がカウントフリー
- 5G対応
- 5分までの国内通話無料
- eSIM対応
- 契約やサポートにはWebやLINEのアプリを使用
- 月額は2,980円(税抜)
となります。プランの内容の概略は「ahamo」にそっくりですね。
LINEモバイルを吸収して実現
このブランドの特徴としては、LINEのカウントフリーやLINE経由での契約が可能であることといった、LINEとの連携を強く打ち出している点が挙げられます。「SoftBank on LINE」は、現在LINEとソフトバンクの合弁企業として事業を営んでいるLINEモバイルをソフトバンクの完全子会社化および吸収合併して提供するということになっており、もともとLINEモバイルが持っているLINEカウントフリーの実装などを流用することが予想されます。運営自体はSoftBankが行うことになるので、ネットワークはソフトバンクのものをそのまま利用することになり、「ソフトバンク同一ネットワーク同一品質」であることが「SoftBank on LINE」の紹介ページでも謳われています。
従来のLINEモバイルはどうなる
企業としてのLINEモバイルがSoftBankに吸収されるにあたって、今存在するMVNOとしてのLINEモバイルの処遇が気になりますが、新規契約の受付を停止し、既存の契約はそのまま維持されるという方向になるようです。これは楽天モバイルの対応と同じです。楽天モバイルもMNO参入にあたって従来のMVNO事業については新規契約を停止し、既存の契約は維持する形をとっていました。SoftBankに吸収されることでMNOとなり、MNOがMVNOを運営することに対しては特にドコモから強い反発もあって続けられないということだと思います。
ワイモバイルの新プランは?
「SoftBank on LINE」という低価格なオンライン専用ブランドの登場により、もともと低価格路線で売っていたワイモバイルの位置づけがどうなるのかが気になっていましたが、そこそこ低価格だけどお店でもちゃんとサポートしますという売り方になるようです。もともと導入が計画されていた20GBと10分間通話無料で4,480円の「シンプル20」プランはなかったこととなり、新たに3つの料金プランが設定されることになりました。
シンプルS | シンプルM | シンプルL | |
---|---|---|---|
データ容量 | 3GB | 10GB | 20GB |
5G対応 | o | o | o |
データ容量超過時の通信速度 | 300kbps | 1Mbps | 1Mbps |
基本使用料 | 1,980円 | 2,980円 | 3,780円 |
通話無料はオプション化されて、10分まで無料の月額700円のオプションと、無制限無料の1,700円のオプションが新設されます。「シンプルL」を契約して10分無料オプションを付けると4,480円となって、「シンプル20」と同等のプランとなります。つまり「シンプルL」は「シンプル20」の通話無料部分をオプション化して料金を引き下げたものと言えます。「SoftBank on LINE」は20GB使えて2,980円に対して、ワイモバイルで20GBほしいとなると「シンプルL」の3,780円となるので、800円高くなって5分間通話無料もなくなってしまいますが、これはサポートに必要な費用という立て付けなのでしょう。
感想
「SoftBank on LINE」は「ahamo」を強く意識したプランといえます。20GBで2,980円という価格設定、5G対応、オンライン契約を原則としていること、5分間通話無料など類似点が多く見られます。「ahamo」登場から短期間でワイモバイルのプランも含めてきちんと整理をしてきたところは、SoftBankらしいスピーディーさと言えるでしょう。一方で、「ahamo」との差別化のために打ち出したと思われるLINEとの連携はアピールとして弱いのではと思えました。LINEの通信がカウントフリーと言っても、LINE自体の通信量がそもそも知れています。もともとLINEモバイルもLINEカウントフリーを大々的に打ち出しながらもその戦略がうまく行かず、SoftBankとの合弁による支援を受けたという経緯があります。LINEアプリからの契約というのもLINEが打ち出しているスーパーアプリ戦略に絡んでいるものだと思いますが、そのために「ahamo」ではなく「SoftBank on LINE」を選ぶかと言われると難しいと思います。「SoftBank on LINE」という名前も、そもそもブランドコンセプト名称であって正式なブランド名と確定しているわけではないようで、「ahamo」のようにまだ派手に宣伝できる状態にもありません。ブランドの始動までの間に更にブラッシュアップしないと競争に勝てないのではないでしょうか。
ワイモバイルのプランは、5Gへの対応を打ち出してきたのがポイントでしょう。もともとKDDIやSoftBankは、いわゆるサブブランドでは当面5Gに対応しない方向でしたが、今回それを転換することとなりました。サービス内容の差というよりは、容量とサポート内容の差によってブランドを分け価格設定も変える、という形となり、消費者にとっては幾分かわかりやすくなったのではないでしょうか。
サブスク棚卸しをしてみた
ケータイWatchに面白い記事が上がっていました。
筆者が契約しているいわゆる「サブスクリプション系サービス」を全て曝け出した上で、見直しを図ろうというものです。面白い試みだと思ったので、私もやってみることにしました。
今回、携帯料金や固定回線費用は別で考えることにしました。
サービス名称 | 価格 |
---|---|
pixivFANBOX | 5,500円 |
Netflix | 880円 |
ニコニコプレミアム | 550円 |
IFTTT PRO | 214円 (為替により変動) |
MoneyForwardプレミアム | 480円 |
Adobe Indesign 単体プラン | 2,728円 |
Adobe フォトプラン (20GB) | 1,078円 |
合計 | 11,430円 |
サービスの中であまり知られていなさそうなものを紹介します。pixivFANBOXというのは、クリエイターとそのパトロンを結びつけるサービスで、サブスクの形でクリエイターを支援し、パトロンはその対価として限定投稿などを閲覧できるというものです。私はこのサービスで好きなイラストレーターさんに毎月支援をしています。携帯料金を除けば一番お金を払っているサブスク系サービスでした。しかし、これは誰になんと言われようが譲れないところです。
IFTTT PROは、さまざまなWebサービスやアプリケーションを組み合わせて自動化の仕組みを構築できるサービスの有料版です。有料版サービスは今年始まったばかりなのですが、開始記念で安く登録できたので登録しました。せっかくお金を払っているからと結構色々なことに使っているので、214円は今から思えばかなりお値打ちだったなと思っています。
クラウドストレージ系のサービスは課金していません。一時期G suiteで無制限ストレージを契約したりしていましたが、無制限ストレージが廃止されるということでやめてしまいました。ストレージ系のサービスは、現在の私のライフスタイルだと無料枠でも足りる感じです。もし契約するならDropboxですかね。高いけど使い勝手は良いですから。
コンテンツ系サービスもほぼ課金してません。ニコニコプレミアムは生放送機能を使っていたりするので継続予定。Netflixは画質を求めるような番組は見ませんが視聴はしているので、少し前に最安プランに落としました。このまま続けていきたいです。
削れる余地があるなと思ったのがAdobe系です。Indesign 単体プランは同人誌の執筆のために契約していたのですが、私は年に2〜3冊くらいしか出していないので、一年中契約し続ける必要がないことに気づきました。一旦解約して必要な時に月払いのプランを契約することにします。Photoshopが使えるフォトプランを解約するとAdobeのクラウドストレージの容量がガクッと減ってこれは流石に困るので、継続することにします。
Indesignを必要に応じて契約することにして、なんとか月額1万円以内に収まりました。見た目の金額は小さいものの積もっていくとなかなかの金額になるのがサブスクの注意点ですね。今後も定期的に棚卸しをしていきたいと思いました。
SoftBankが新料金プラン「メリハリ無制限」を発表
びっくりするほどの新料金プランラッシュです。SoftBankが22日に発表会を行い、新しい料金プラン群を発表しました。インターネットではオンライン専門ブランドの「SoftBank on LINE」が話題のようですが、あえてまずはSoftBankブランドの新プランである「メリハリ無制限」を取り上げたいと思います。
「メリハリ無制限」の概要を説明すると、
- 4G/5G共通プラン
- データ容量は4Gエリア含めて無制限
- テザリングは30GB
- 利用データ量3GB以下の月は1,500円引き
- 価格は6,580円
となります。新旧プランで比較すると、
メリハリプラン(5G) | メリハリ無制限 | |
---|---|---|
価格 | 8,480円 | 6,580円 |
データ容量 | 50GB + 一部サービスカウントフリー | 無制限 |
と
メリハリプラン(4G) | メリハリ無制限 | |
---|---|---|
価格 | 7,480円 | 6,580円 |
データ容量 | 50GB + 一部サービスカウントフリー | 無制限 |
となります。
ドコモの「5Gギガホ プレミア」よりは70円安く、4Gプランの「ギガホ プレミア」よりは30円高いという絶妙な価格設定。「5Gギガホ プレミア」や「ギガホ プレミア」とは似ていますが、テザリング制約があるのと4G/5Gで価格が統一されているのが特徴でしょうか。個人的にはドコモが4G/5Gでわずか100円の差をつけていたのを「思い切りがないなあ」と思っていたので、思い切って統一したシンプルな料金にしたのは評価したいです。ショップの人も多少は説明が楽になるかも。
ホワイトプラン+7GBデータ通信より安い
「メリハリ無制限」の定価は6,580円ですが、かつて存在した基本料プランである「ホワイトプラン」と、同じくかつて存在したデータ容量7GBプランである「パケットし放題フラット for 4G」を組み合わせたときの価格は6,934円でした。「ホワイトプラン」の後様々なプランがSoftBankから発表されましたが、その中でデータ容量が7GBを超えていてかつ6,934円より安いプランというのは私が調べた限り存在しませんでした*1。つまり「メリハリ無制限」は、かつて存在した7GBプランよりも安く大量のデータ通信ができる初めてのSoftBankのプランということになります。これは非常にエポックメイキングなことだと思います。
テザリングオプション無料
ドコモおよびau、楽天の大容量プランでは申込不要だったり無料化されていたりしたテザリングオプションですが、SoftBankは長らく500円の料金を徴収していました。これがようやく「メリハリ無制限」では無料になります。これは評価したいですね。30GBまでしか使えないですが。
期間限定割引は廃止
ドコモの新プランもそうでしたが、契約から6ヶ月や1年の期限を切って割引をするプログラムは一切廃止されました。発表会では副社長が「良かれと思ってやっていた」と表現していましたが、政府からは「料金プランが複雑だ」と槍玉に挙げられていましたし、世間一般の評判もauの発表会が炎上したことを始めとして芳しくなかったということで、綺麗サッパリ取りやめということになったようです。
発表会でも、後述する家族割や固定回線セット割などを含めない定価を押し出した発表にするなど、割引の扱い方には慎重になっている印象を受けました。SoftBankはこういう空気を読むところは本当にうまいです。auは正直すぎるんですよね。
家族割のサービス内容が変更に
これまで存在していた家族割サービスである「みんな家族割+」に代わって「新みんな家族割」という家族割サービスが導入されます。
従来の「みんな家族割+」では、指定したプランを契約している家族の人数に合わせて
2人 | -500円 |
3人 | -1,500円 |
4人以上 | -2,000円 |
と割引がありましたが、
新しい「新みんな家族割」では
2人 | -600円 |
3人以上 | -1,100円 |
と、3人以上での割引額が縮小されました。最大の縮小幅となる4人以上の場合は900円割引が減るので、例えば家族4人が4Gの「メリハリプラン」を契約している状態から全員で4Gの「メリハリ無制限」に変えても料金は変わらないという結果になってしまいます。このような細かい改悪を一緒に入れるのはやめてほしいですね。
ところで、「メリハリ無制限」のプレスリリースには「「メリハリ無制限」の提供に伴い、加入した家族の人数に応じて月額料金を割引する「みんな家族割+(プラス)」について、サービス名称を「新みんな家族割」に変更の上、内容を改定します。」と書いてあるのですが、もしかしてすでに「みんな家族割+」が適用されている人は「メリハリ無制限」開始と同時に勝手に「新みんな家族割」に変えられてしまうのでしょうか。それだと今「メリハリプラン」を契約している人はみんな「メリハリ無制限」にしないと損ですね……。これってどうなんでしょう?
固定回線とのセット割である「おうち割光セット」は従来どおりのようです。家族3人以上で固定回線とのセット割を含めれば、
定価 | 6,580円 |
家族割 (新みんな家族割) | -1,100円 |
固定回線セット割 (おうち割光セット) | -1,000円 |
合計 | 4,480円 |
となって、きっちりドコモの「5Gギガホ プレミア」の最安価格と同じになりました。
速度制御はどうか?
無制限プランとはいっても完全に制限がないわけではなく、「時間帯により通信速度を制御することがあります」という但し書きがあります。この但し書きは以前からあるプランである「メリハリプラン」にもありました。この制御が他社の無制限プランと比べてどの程度厳しいかは気になるところです。
まとめ
ドコモの発表からほとんど間を空けずに料金プランを出してくるのはSoftBankらしい対応でした。4G/5Gでプランを統一し、4Gプランであっても無制限プランを提供してきたのは評価できます。かつての「ホワイトプラン」よりも安いのにデータ容量無制限となっているのも評価したいです。ただし、テザリング30GB制限がある点に注意が必要で、それでいてドコモとほぼ変わらない価格設定なのはちょっと割高感を拭えないですね。家族割の内容をこっそり改悪しているのもどうかと思います。そういうことをしているから、某省から目をつけられるんだと思いますよ。
と、批判的なコメントをしましたが、私は実家がSoftBank一本で固定回線もSoftBank光だったりするので、ちょっと契約してみてもいいかなと思っています。無制限を掲げていて楽天よりは回線品質もいいだろうモバイル回線が4,000円台で持てるのは普通にありです。
それにしても「メリハリ無制限」が出てきて、ますます段階制小容量プランである「ミニフィットプラン」の割高感が際立ちます。こちらは
通信量 | 価格 |
---|---|
~1GB | 3,980円 |
~2GB | 5,980円 |
~5GB | 7,480円 |
という強烈な設定になっています。他社の類似プランに比べても強烈に高いです。今回こちらのプラン改定は行われませんでした。「ミニフィットプラン」は、2GBを超えて使うと定価で「メリハリ無制限」より高くなります。さらに、家族割の回線数のカウント対象には入るものの割引対象にはならないので、家族割を組める場合は1GBを超えて使った時点で安くなくなります。某省が「小容量で安いプランを作れ!」と怒ったために仕方なく作ったプランなのはわかりますが、ここまで嫌々やってる感が伝わってくるのもなかなかです。どこか頃合いを見計らって「ミニフィットプラン」については幕引きを図りたいというのが、SoftBankの本音だと思います。「ワイモバイルで3GBプラン用意してるから許して!」というところでしょうか。
*1:ドコモは「ギガライト」がこれの条件を満たしていました
ドコモが新料金プラン「5Gギガホ プレミア」「ギガホ プレミア」を発表
ドコモが「ahamo」に続いて「5Gギガホ プレミア」および「ギガホ プレミア」という新料金プランを発表しました。
内容としては以下のとおりです。
5Gギガホ プレミア
- 5G端末専用プラン
- データ容量は4Gエリア含めて無制限
- テザリングも無制限
- 利用データ量3GB以下の月は1,500円引き
- 価格は6,650円
ギガホプレミア
- 5G端末がなくても契約可
- データ容量は60GB
- 上限到達後は1Mbps
- 利用データ量3GB以下の月は1,500円引き
- 価格は2年契約なしで6,550円、2年契約付きで6,380円
新旧プランで比較すると、
5Gギガホ | 5Gギガホ プレミア | |
---|---|---|
価格 | 7,650円 | 6,650円 |
データ容量 | 100GB | 無制限 |
と
ギガホ | ギガホ プレミア | |
---|---|---|
価格 | 7,150円 | 6,550円 |
データ容量 | 30GB | 60GB |
となり、データ容量の拡充と料金の引き下げが実現されました。まともに考えると、今後契約が増えてくるであろう5G向けの大容量プランで月1,000円の値下げを行えば、減収要因になるような気がしますが、なにか注意するべきところはあるのでしょうか。
キャンペーンが恒常化しただけともとれる
実は、現行プランの「5Gギガホ」および「ギガホ」はキャンペーンを行っていて、データ容量の拡充と料金の割引が行われています。
まず5Gプランの方から見ていきましょう。「5Gギガホ」では容量無制限キャンペーンと5Gギガホ割が行われています。容量無制限キャンペーンは、読んで字のごとく本来は100GBのデータ容量であるところを無制限とするものです。期間限定のキャンペーンということになっていますが、「5Gギガホ プレミア」が開始される前日まで継続が決定しています。5Gギガホ割は、「5Gギガホ」を新しく契約したときそこから6ヶ月間1,000円の割引が行われるというものです。つまり、5Gプランに関して言えば、キャンペーンが適用されている現行のプランと新しい「5Gギガホ プレミア」にはなんの差もないということになります。キャンペーンの永続化が決定し、新しいプランとして仕切り直すことになったというところですね。
続いて4Gプランを見てみましょう。こちらではギガホ増量キャンペーン2とギガホ割が行われています。ギガホ増量キャンペーン2は、本来30GBのデータ容量を60GBと倍増させるものです。期間限定のキャンペーンということになっていますが、「ギガホ プレミア」が開始される前日まで継続が決定しています。ギガホ割は、「ギガホ」を新しく契約したときそこから6ヶ月間1,000円の割引が行われるというものです。つまり、4Gプランに関しては、キャンペーンが適用されている現行のプランより新しい「ギガホ プレミア」のほうが400円高いという差があることになります。
この微妙な差は、5Gをできるだけ契約してほしいというドコモの意図があるものだと思われます。
容量無制限はある程度信用して大丈夫?
「5Gギガホ プレミア」は、容量無制限化にあたって「ネットワーク混雑時・大量通信時などに通信制限がかかる場合があります」という注記が追加されました。これを懸念する声もあるようですが、この注記は容量無制限キャンペーンにも存在していたものです。現状の容量無制限キャンペーンの「5Gギガホ」で500GB程度流しても特に制限されていないという報告もネット上で上がっているようで、「5Gギガホ プレミア」になってもそのあたりは変わらないと思われることから、500GB程度の利用であれば制限されない可能性が高いと思います。楽天の1日10GB制限よりはゆるいのではないでしょうか。まあ楽天より価格が高いのでそれは当然でしょうかね。
「データプラス」で使う際は要注意
「5Gギガホ プレミア」や「ギガホ プレミア」は、テザリングでも無制限ないし60GBまでデータ容量を使うことができますが、主回線のデータ容量を2台目のスマホやタブレットで利用できる「データプラス」利用の際は注意が必要です。今のところ正式なアナウンスがされていませんが、今出ている情報から読み解く限りは「データプラス」利用の際はデータ容量が30GBに制限され、それを使い切ると1Mbpsの速度制限が入ります。今後プランの正式な開始までにこの辺りの制限は変更される可能性もあります。
家族割や固定回線割引も適用
「ahamo」と違って、いわゆる家族割や固定回線とのセット割引が適用されるのが今回のプランの特徴です。定価を比べると「ahamo」より高い価格設定なのは間違いないですが、これらの割引がうまく適用できれば思ったより安くなるのも事実です。
例えば、自分を含めて家族がドコモ回線を3回線持っており、家族の誰かがドコモ光を契約していて、かつ自身の携帯料金をdカードで払っていれば、「5Gギガホ プレミア」の価格は
定価 | 6,650円 |
家族割 (みんなドコモ割) | -1,000円 |
固定回線セット割 (ドコモ光セット割) | -1,000円 |
dカードお支払い割 | -170円 |
割引後価格 | 4,480円 |
となります。「ahamo」との差は1,500円に縮まります。1,500円払えば20GBから無制限になるとなると、「5Gギガホ プレミア」になびく客も一定数居るのではないでしょうか *1。
「ギガライト」には手が入らず
今回は大容量プランである「ギガホ」系の料金プランが変更されましたが、段階制の小容量プランである「ギガライト」には手が入りませんでした。そもそも「ギガライト」は某省が「小容量でも安いプランを作れ!」と横槍を入れてきたために作ったプランなので、ドコモとしても別に拡販したい意図はないんだろうと思います。小容量が良いならMVNOのプランを使ってね、というのが本音でしょうね。この小容量低価格MVNOプランは「ahamo」の発表時にドコモ本体のプランと連携して展開する旨の言及があったので、近いうちにNTT系の適当な会社 *2 から発表されることになると思います。
まとめ
競合であるauの無制限プランが4Gプランで7,650円、5Gプランで8,650円であり、またドコモ発表当時最新のSoftBankの大容量プランが4Gプランで7,480円、5Gプランで8,480円であることを考えると、ドコモの新プランは価格的に競争力があると言えるでしょう。また、auは無制限をうたいながらもテザリング容量に制限があり、SoftBankのプランはそもそも無制限ですらないことを考えると、その優位性は更に高いと言えます *3。無制限プランというと楽天が2,980円でやっていて確かに破格なのですが、今のところエリアでは他の三社に遠く及ばないため、万人にはおすすめできる状態にありません。一方で、割引額としてはキャンペーンをそのまま恒常化した程度のものであり、実際のところ大きなインパクトのあるものではなかったと思います。「ahamo」のインパクトが大きすぎましたね。
「データプラス」利用時の制限が残念です。これがなければ、単身世帯で「5Gギガホ プレミア」と「データプラス」を契約し、それぞれ持ち歩くスマホと家に置いておくモバイルルーターに紐付けることで、固定回線無しで外でも家でもそれなりに安定した品質の通信が無制限に利用できるのですが……。一切割引が適用できなくても6,650円なので、固定回線と携帯回線を別々に契約するよりは安いはずです。「ahamo」と「5Gギガホ プレミア」を契約して9,630円というのも考えられますが、これなら「ahamo」と固定回線で別にいいじゃんということになりますよね。
今回の発表を受けて、また各キャリアが大容量プランを見直してくることが予想されるので、楽しみですね。