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Kohaku Lab

ガジェットとカードが好きな人のブログです。

「電通大を選んだ理由」から見える電通大の立ち位置

この記事は、UEC Advent Calendar 2014の7日目の記事です。前日はLuimago0さんで、鉄道研究会のお話・リターンズでした。

今年も推薦・AO入試を皮切りに、電通大の入試がスタートしました。(人数的な意味で)本格的な入試は年が変わってからとなりますが、今回も熾烈な受験競争が展開されるものと思います。同時に、来年度どのような人達が入学してくるのか、楽しみでも有ります。

さて、電通大に限らずどんな大学であっても、その大学に進もうと思った理由というのが大なり小なりあるものです。「将来○○の研究者になりたい!」といった立派な目標を掲げている人もいれば、「とりあえず働きたくない」という人もいると思います。

今回の記事では、電通大に入学してきた人がどのような理由で電通大を選んだのか、という理由から電通大という大学がどのような立ち位置にあるのか、考察したいなと思います。

女子学生が電通大を選んだ理由

本当は、男女問わず電通大の学生全体に「どうして電通大を選んだのか」というアンケートを取った資料があればよかったのですが、そのような資料が見つからなかったので、今回は「電通大の女子学生が電通大を選んだ理由」という資料を元に話を進めたいと思います。この資料は、電通大が発行している女性向け広報誌である「UEC WOMAN」に掲載されていたものです。

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一位は「東京にあること」と「就職率」

資料よりわかることは、最も多くの学生が理由としてあげているのが「東京にあること」と「就職率」であるということです。「東京にあること」という理由は、この資料のみならず、多くの人が挙げている理由でも有ります。

国立大学法人電気通信大学 インキュベーション施設 IMの部屋 UEC-IMインタビューシリーズ No.005

高専という学校を出て1年9ヶ月経って思うこと - And Q.

ただ、一寸立ち止まってみればわかることなのですが、東京にはなにも電通大しかないというわけではありません。天下の東京大学、理系の雄東京工業大学など多くの大学が有ります。ある統計によれば、日本の大学生の4分の1は東京に住んでいるとも言われています。

都道府県&地方別大学数・学生数 - 発声練習

つまり、「東京にあるから」という理由は、絶対的な理由というよりは、あくまで無数にある日本の大学の中から、候補となる大学を絞る際のフィルターでしかない、といえるでしょう。先ほどの統計によれば、「東京にある」という条件をつけるだけで、対象となる大学は全体の18%にまで減ります。日本全体で約800あると言われる大学の中から、18%に絞れるだけでだいぶ楽になるというものでしょう。

東京にあるという事実は、想像以上に大学選びにおいて強いもので * 多くの企業本社が東京にあるため、就活が楽である * 遊ぶところが多い と言った点が、大学生からの支持を集めています。

私企業に特化している電通大

また、「就職率」というものも、切り口によっていろいろな姿を見せる指標です。例えば、「大企業就職率」なるものを各大学で比較してみましょう。

図録▽大企業就職率大学ランキング

この指標で見ると、確かに電通大は上位に食い込んでおり、驚くべきことに東京大学をも上回る数値をたたき出しています。だからといって、電通大のほうが東京大学よりも「誰もが羨む職業に就いている率が高い」とするのは早計です。この数値には、公務員・勤務医・弁護士などが含まれていないからです。実際、国家公務員総合職試験合格者数という指標を見てみると、実情はずいぶん変わってきます。

図録▽大学ランキング:国家公務員試験合格者数

「大企業就職率」で電通大より下にあった東京大学が一挙に一位に躍り出て、また電通大とほぼ同水準だった東京理科大学も上位に有るにも関わらず、電通大は姿を消してしまいました。東京大学が一位となるのは、いわゆる法科系の人達が大勢いることが原因だと思われますが、電通大とほぼ同水準とされ、典型的な理工系の大学である東京理科大学から国家公務員になる人が一定数いるにもかかわらず、電通大からはそういった人がほとんど出てこないというのが、興味深い点でしょう。

電通大学生の言う「就職率」は、私企業(特に大企業)に特化したものである、といえるのではないでしょうか。

研究を目的とする人は少ない

一方で、研究室や先生を目的として入学してくる人は、かなり少ないことがわかります。ここ最近、電通大は研究大学強化促進事業に採択されたこともあって、「研究大学」というフレーズをオープンキャンパスなどで盛んに打ち出しています。しかし、実際には、「研究」というものを大学に求めている入学者は、少数派であることがわかります。そもそも、高校を出たばかりの人にとって、研究というのは、何かよくわからないものでしかない、という点がネックになっていると思われます。

まとめ

  • 東京にあるという事実は強い
  • 電通大は私企業への就職に特化している
  • 「研究大学」を打ち出しているが、研究を目的とする人は少ない

東京にあるという事実が、電通大に学生を集める大きな力になっているのは、事実でしょう。多くの学生が、遊ぶときは遊びたいと考え、就活は楽にやりたいと考えている以上、これは揺るがないでしょう。

電通大は、他大学に比べても私企業への就職に特化していると言えます。言い換えれば、公務員や法曹関係者を輩出するという点では、少し弱いと言えます。今後、弁理士の養成など、多角的な人材育成を打ち出すという方向性も一つなのでは、と考えます。

ここ最近の電通大は、「研究」を前面に打ち出していますが、多くの入学者にとって「研究」が依然ブラックボックスなのも事実です。一方で、大学を大学たらしめているのは「研究」なのも事実です。これについては、各研究室の協力などを利用して、より積極的に「研究」という行為が理解されるような、広報が必要だと思います。

明日は、WaitaTachibanaさんの予定です。