Kohaku Lab

ガジェットとカードが好きな人のブログです。

iPhoneのアクティベーションとSIMロックについて考える

今年からSIMフリー版がSIMロック版と同時発売され注目されているiPhoneだが、SIMフリー版が故障したので交換したところSIMロック版になっていたという珍妙な事件が発生しました *1

SIMフリー版iPhone 6を交換しにいったらSIMロックiPhone 6になった件 (解決済み) - Kohaku Lab

調べてみたところ、こういった現象は、実は以前から報告されていたようです。

SIMフリーiPhone 5sをApple StoreのGenius Barで修理するとSIMロックがかかる事案が発生

今回と似たような話で、SIMフリー版のiPhone 5sを交換したところ、SIMロックが掛かってしまったという事件です。どうしてこのような珍妙な現象が起きるのか、いろいろな情報などを元に考察してみたいと思います。

iPhoneSIMロックシステム

ご存じの方もいらっしゃると思いますが、iPhoneSIMロックシステムはAndroidのそれとは異なるものになっています。Appleからの公式な声明というわけではないですが、多くの人々 (Apple Storeで働くスタッフを含めて) がSIMロックシステムに対して統一した見解を持っています。

それらによれば、iPhoneSIMロックされるかどうかを決定しているのは、iPhoneアクティベーションサーバになります。アクティベーションは、iPhoneを初めて起動した時や、初期化した後に求められる認証作業です。iPhoneで利用可能なSIMカードを挿さないと、アクティベーションが通らず、iPhoneの一切の機能を利用することができません。

出荷状態のiPhoneは、docomo版だろうがSIMフリー版だろうが全く同じハードウェアになっているようです。iPhoneを始めとするすべての携帯端末には、世界で一意であるIMEIという番号がふられています。そして、Appleにあるアクティベーションサーバには、そのIMEIとSIMロック情報の対応表が用意されています。

iPhoneを起動してアクティベーション作業をすると、アクティベーションサーバにIMEIが送信され、SIMロック情報が取り出されます。SIMロックがかかっていない設定ならば、基本的にどんなSIMが刺さっていようとアクティベーションが通ります。一方、SIMロックがかかっている設定ならば、そのロックの条件を満たすSIMが刺さっているときのみアクティベーションに成功します。そして、iPhoneが特定のSIMしか受け付けないように自身の設定を書き換えることで、SIMロックが完成します。

つまり、iPhoneでは

という設計になっています。

SIMフリー版を交換するとSIMロックされる理由は?

iPhoneSIMロックシステムの仕組みがなんとなくわかったところで、冒頭で説明した珍現象の原因について考えたいと思います。

まず原因として考えられるのは、

  • 交換を依頼した時にauのSIMが刺さっていたため、スタッフがau版のiPhoneだと誤認識し、auのロックが掛かったiPhoneを取り寄せてしまった

という可能性です。ただ、これについては正直考えにくいのでは、というのが僕の考えです。交換依頼の際に、故障したiPhoneのシリアル番号を入力して発注を行っていたので、交換対象のiPhoneがSIMフリー版であることはわかっているはずです。その状態で、auのロックが掛かったiPhoneを発注してしまうようなことがあるのか……疑問です。

ただ、この説について、これ以上否定する理由もないのも事実です。

iPhoneSIMロックシステムの設計上、アクティベーションサーバの設定さえ書き換えれば、au版のiPhoneもSIMフリー版にすることができます。実際アメリカの携帯電話キャリアでは、そのような手続きを公式に受け付けています。

POSによる特別な処理?

実は、今回SIMロックを解除してもらうにあたって、Apple Store銀座のスタッフさんからこのような話を聞きました。

SIMフリー版を引渡する際には、POSで特別な手続きをしなければならない

同じような話はMac Fan2014年2月号にも記載されているようです。

iPhoneのアクティベーションの仕組みとSIMロックフリーiPhoneが発売された意義:モバイルタンク4

例えば欧米のアップル直営店では、POSで処理することでロック解除され、SIMフリーで販売されている

Apple StoreのPOSから特別な処理をすることで、アクティベーションサーバのロック情報が消されて、SIMフリー版として販売できる、という意味に取れます。つまり、交換品のiPhoneはたまたまauでロックされていて、POSでの処理を忘れたために、auでロックされたまま引き渡されたということになるのでしょうか。いや、それはそれで何かもやもやするものが残ります。

最初に刺したSIMでロックされる説

iPhoneに関してまことしやかにささやかれている説として、「最初に刺したSIMのキャリアの設定でロックされる」という説があります。検証したわけではないですが、SIMフリー版についてはそのようなことはありえませんし、前述のSIMロックシステムを見る限り、SIMロック版でもそういった仕様にはなってなさそうです *2

しかし、交換品に限って最初に刺したSIMのキャリア設定でSIMロックされるようになっている可能性はあります。それを解除するためには、POSから特別な処理をする必要があって、それを忘れると、最初に刺したSIMのキャリアでロックされてしまう、という仮説は、現実に起きたことと一応矛盾していません。また、こう考えればauのキャリアロックがかかっている理由は、たまたまではなく、必然だったということになって、いくらか筋が通ります。

予めロック情報を前のiPhoneから引き継いで設定すればこんなことは起きないのでは……などと疑問は尽きませんが……。

まとめ

結局断片的な情報だけでは、確信を持ったことは言えないです。憶測ですが

  • オンラインで販売されているSIMフリー版は、サーバに最初からロックしない旨が記述されている
  • 実店舗で販売されているSIMロック版は、サーバに最初からロックする旨が記述されている
    • Apple以外はサーバを書き換えられないので、どう頑張ってもSIMフリー版として購入することはできない
  • 実店舗で販売されているSIMフリー版は、特殊な処理でロック情報を消して販売している可能性がある
    • ただ予約の際にSIMフリー版とSIMロック版を分けて予約をとっているので、違う可能性もある
  • 交換品に限って、最初に刺したSIMでロックされる可能性が否定出来ない

といったことが考えられるのでは、と思います。もちろん、憶測なので、これが正しいという保証は全く出来ません。

*1:★がついていて謎、何も嬉しくない

*2:予めどのキャリアでロックされるかは決まっている